「恒産無き者は恒心無し(こうさんなきものはこうしんなし)」 孟子
「始めるのに、遅いことは何もない」
第20回松本清張賞選ばれた「月下上海」の著者、山口恵以子さんの言葉です。
山口恵以子さんは東京都内の新聞配達組合の従業員食堂で働きながら文章を書き続けて、今回の受賞作となる「月下上海」は、山口さんが働きながら執筆した初めての長編小説です。
食堂での定職を手に入れ、心と精神にゆとりができたことにより、文筆に没頭することができた。食堂のおばちゃんの仕事をやっているからこそ、この作品がうまれたとインタビューで語られています。
「月下上海」は戦時統制下にあった昭和17年の上海を舞台に、スパイ活動に手を染めたヒロインの財閥令嬢と4人の男性を巡って、謀略とロマンスが交錯するストーリー。
審査員評価では、緻密な取材に裏付けられた時代考証や、苦難の中で力強く生き抜くヒロインの心理描写などが高く評価されました。
山口さんは、今後も食堂での仕事を続けながら作品作りに挑むとのこと。
今日6月22日発売された「月下上海」を読んでみたくなり、彼女への応援もこめて電子書籍で購入(Reader Store)。
価格は1,100円と紙媒体よりも安価ですぐにダウンロードして読むことができるので便利です。