年末年始ということもあってますます知識欲が高まっており、ここのところ久しぶりに「読書」にはまっています。
これまで何冊か「読書術」に関するノウハウ本は読んでいました。
「0秒思考」で共感を持ったことがきっかけですが、著者の赤羽さんは元マッキンゼー出身のビジネスマンということもあって、現在も積極的にアウトプットして成功されている方の読書術とはどのようなものか?個人的にとても関心がありました。
読書はそこそこするけれども、しばらくすると内容を忘れてしまうなんてことも多かった・・・なんていう方も多いのではないでしょうか?
私自身も読み終わったときはいろいろな学びがあり、新たな気持ちで学んだことを活かそう!と思うのですが、ついつい忙しいことなどを理由に時間だけが経ってしまうなんてことも多かったのです。
脂ののった世代のビジネスマンが日々の忙しい中でいかに読書時間を捻出して、それをいかに吸収していくのか、その行動のためのヒントがこの「ACTION READING(アクションリーディング)1日30分でも自分を変える”行動読書”」には書かれています。
「アクションリーディング」は以下のような人にむいています。
- 読書の時間がなかなか取れないと悩んでいる方
- 忙しい日常生活の中でも効率的に読書をしたい方
- 自己実現されている方の読書術を学びたい方
- 読みっぱなしではない読書術を身に着けたい方
- 自己成長につながる効果的な読書のアウトプット方法を学びたい方
持続的な自己成長のための「攻めの読書」3つのポイント
アクションリーディング(行動読書)とは、その名の通り「行動するための読書術」です。
著者の赤羽さんはビジネスマンとしてコンサルティング業界で長年活躍された経歴の持ち主であり、前著「0秒思考」と合わせて、同じビジネスマンとして非常に共感できるノウハウを体系化、現在もそのノウハウ提供を含めてアクティブに活動されています。
アクションリーディングで提唱されている、行動するための読書とは「攻めの読書」。
従来の読んで終わりといった「受け身の読書」とは真逆の読書に対する積極的な取り組み姿勢です。
「攻めの読書」には大きく3つのポイントがあります。
- 読書時間のつくりかた(読書時間捻出術)
- 読み方(マーキング&集中読書術)
- 読書後のアウトプット方法(チャレンジシート活用)
それぞれのポイントについて、私が共感したところを中心に以下まとめてみます。
1.読書時間のつくり方(読書時間捻出術)
1つ目のポイントが読書時間のつくり方、読書時間捻出術です。
読書の優先度をあげて一日のスケジュールに組み込む
発想の転換ともいえるのが、読書の優先度をあげるという考え方。
敢えて「読書」を通常のスケジュールの中に組み込むことで、読書せざるをえない状況にしてしまうのです。
普通ならば、忙しくて時間がないので読書なんてやっている暇ないでしょ?と優先度を下げて、むしろ空き時間に読書できればいいや・・・と考えがちですが、「アクションリーディング」では読書の位置づけを主要なタスクのひとつとして位置づけています。
そして、さらに一歩進んで、ビジネスマンであれば日中の業務スケジュール管理と同じように、平日夜と週末もスケジュールを決めて読書の時間を組み込むことを推奨しています。
それは読書にはそれだけの価値があるということに他なりません。
そもそも本には形式知が体系的にまとめられているので、仕事の上で未経験領域にふみこんだ時に、自分自身には足りない知識を効率よく得るには「読書」は最善策のひとつといえるからです。
本で学んだ知識と現場で遭遇する課題や知識を往復させて、より使える知識を身につけていく。
これこそがアクションリーディング(行動するための読書)の意義であり、「読書」はビジネスマンとしてスキルアップ(持続的な自己成長)のためには必要不可欠な手段だと言えるのです。
あえて読書をスケジュールに組み込んで「予定化」する。
目から鱗の発想ですね!
一見、なにか大変そうな気もしますが、実はそんなことはありません。
人それぞれのライフスタイルに合わせて、予定化すればよいのです。
ビジネスマンであれば、朝起きてから自宅をでるまでの時間、就寝前の時間、通勤の移動時間や昼休みの時間を活用することで、たとえ忙しくても時間を捻出でき、集中力の高まる読書を実践できます。
短時間の読書は脳科学的にも効率がよく、記憶に定着しやすいからです。
アクションリーディングにおいて、大切なのは読書に対する前向きな姿勢です。
要は気の持ちよう次第で、時間は捻出できるということですね。
2.効果的な読み方(マーキング&集中読書術)
2つめのポイントは、記憶に定着させるための読書テクニックです。
3つの基準で気づきをマーキング
まず、読書中は自分の気づきやポイントだと思うところをマーキングしていくことです。
- なるほど!
- うまい表現だ!
- 他ではみない洞察力のある知見のある内容だ!
と思ったところを3つの基準でラインをひいていきます。
※著者はコピーした時に黒塗りにならない黄色の蛍光ラインマーカーを愛用。
あわせてラインをひいたページの右上をおってわかりやすくします。
読了後には本扉に本の評価を4段階(◎○△×)で記入しておきます。
そして、読了後にモヤモヤ感があるならば、「0秒思考」の教えの通り、A4紙に思うままに書き出して頭を整理してすっきりさせます。
この読書中の一連の流れが、その次のアクションに向けての下準備となります。
本をきれいに読むのではなく、汚してなんぼというほどラインと気づきメモをする点、ここは精神科医の樺沢さんの読書術と共通点ですね。
1冊集中!本は厳選して積読は避ける
次に、読書する本は、
- 自己成長のための投資と考えて、なるべく買うこと(書き込みするためにも)
- 読みたいと思った時に買って読むこと
- 読むときは一冊集中、積読はしないこと
が大切です。
最近の図書館には新刊・ベストセラーも豊富にあり、本を借りることはできます。
ただ、どうしても人気の本は何百番待ちということも多く、へたすれば半年先、1年先になってしまうこともざらにあります。
読みたいと思った時がまさに自分にとっては”旬”です。
時間が経過するとともに意欲が薄れ、興味対象も変わってくるので、読みたい!と思ったときにはできるだけ買って読むこと。
かくいう私自身も実際、図書館で予約をいれていた本がしばらくたって借りれるようになった時には、すっかり興味が薄れてしまっていたなんてこともありました。
なんでこれ読みたかったんだろう・・・?と。
読みたいと思ったときが始め時、まさに読み時です。
一般的に、新書形式は800~1,000円程度、ハードカバーでも1,500円前後ですが、週に1冊読んだとしても月4冊。
月5,000円程度の投資で自分自身に新たな知識がつくと考えれば安いものです。
とはいえ、ぶっちゃけ私は読んだ本を自宅に並べておきたくありませんので、図書館での借用と購入を併用しています。
基本的な知識を得るための本や数年前のベストセラー(ほとんど予約待ちなし)は図書館で借りつつ、比較的新刊で興味のある本は書店で実際に手にとって内容を確認、十分吟味してから購入するようにしています。
また、場所をとらない電子書籍は通勤中、指でなぞるだけでラインをひきやすく、後からラインした部分だけをテキストデータとしても抽出できるので重宝していますが、基本的に紙の本を購入するようにしています。
紙の本の方が一覧性があり、ざっと内容を確認して大枠をつかみやすいというメリットがあるからです。
このあたりは個人的な好みや慣れなのでしょうが、紙の本が好みです。
※小説や漫画は電子書籍が向いているように思います。
3.読書後のアウトプット方法(チャレンジシート)
最後の3つめのポイントは、読書後はアウトプットを意識すること。
これは本書「アクションリーディング」の肝となる部分です。
「チャレンジシート」で自己成長のPDCAをまわす
受け身ではない「攻めの読書」は、読書後に行動に移すことで初めて、読者の血なり肉となって価値となります。
自己成長につなげる「攻める読書」を実践するにあたって、アウトプットの起点となるのが「チャレンジシート」です。
レイアウトはこんな感じ。
※赤羽雄二著「アクションリーディング」より引用
「アクションシート」は次の4つのゾーンに分けます。
- 読書の目的、ねらい
- 読んで感じたこと、良かったこと、気づき (逆にいまいちだったところ)
- この本を読んで自分は今から何をするのか
- 3か月後に何をするのか、どうなっていたいか
この4つについて、読書後にそれぞれ2~4項目程度、具体的に書き込みます。
私の場合は、読書前に1の読書の目的について書き込み、読書後に2~4を追記しています。
というのも、1の「読書の目的、ねらい」は、言うまでもなく、なぜその本を選んだのか?何を得たいと思って選んだのか、その目的を読書に取り掛かる前に明確化しておく必要があるからです。
これを最初に明確化しておいた上で、読書に取り組むと頭にスットはいりやすくなります。
読了後は、2の気づきを記入。
そしてそれを受けて、3の「この本を読んで自分は今から何をするのか」→4の「3か月後にどうなっていたいか」と書きすすめます。
特に4の「3か月後にどうなっていたいのか?」については、自己成長に直結する重要な部分なので、より具体的に書きます。
最終的に書き込んだ後は、3と4については例えば3か月ごとに達成度をチェックして、4段階評価(◎〇△×)をそれぞれの項目につけて、これまでの行動を振り返ります。
- 読書前に「読書する目的、ねらい」を明確化
- 読書後に「チャレンジシート」を記入
- 読書後は定期的な行動チェックシートとして「チャレンジシート」を活用
つまり、読書後に「チャレンジシート」を起点としてPDCAサイクルをまわすことで、自己成長と自己実現の達成度をはかる習慣をつけることができるのです。
その他アウトプットによる仕事力アップ方法
アクションリーディングの肝である「チャレンジシート」に加えて、他にもいくつか有効なアウトプットが紹介されています。
- 読書で学んだ知識を使って仕事で実践(仕事力のアップ)
- ブログやSNSで発信(学んだことの言語化)
- 講演する、人と話す(伝える力の向上)
- 議論する(人の意見や感想をきいて自分の考えのブレ幅を抑制)
これらは他の読書術とも共通事項であり、納得感がありますね。
いずれも読書で学んだ知識の言語化や実践することを通して、自分自身の知識として定着させる「攻めの読書」のためのアウトプット活動だからです。
まとめ:持続的な自己成長のための「行動読書」を実践しよう!
以上、「ACTION READING(アクションリーディング)1日30分でも自分を変える”行動読書”」の中から、具体的な方法について書き出してみました。
同じビジネスマンということもありますが、忙殺されている日常生活の中での「時間のつくり方」、「読書に対する姿勢、位置づけ、考え方」については大変参考なる知見が多いにありました。
まとめると、持続的な自己成長のためには、
- 読みっぱなしではない、攻めの読書を実行
- 読書の優先度をあげて、意識的に読書時間を捻出
- 読書後は「チャレンジシート」を作成して、自己成長のためのPDCAサイクルをまわすことを習慣化
- 人と話す、講演する、ブログやSNSで言語化することで知識を定着化
することが大切だと理解することができました。
実際にやってみてわかるのですが、「アクションリーディング(行動読書)」ははシンプルでいてストイックなアウトプット活動です。
私同様にこれまで意識的に言語化する習慣がなかった方にとっては、慣れるまでには時間がかかりますが、やっていてその効果を少しずつ実感しています。
私自身も今後、この書で学んだエッセンスを自分の生活習慣の中に落とし込んで、自分なりに昇華させていこうと思います。
あなたも意識的に時間をコントロールして、持続的成長につながる「アクションリーディング(行動読書)」を習慣づけてみませんか?