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【Deco X95レビュー】Wi-Fi6トライバンド×2.5GbE対応のハイエンドメッシュWi-Fiルーター

今回レビューする「Deco X95」は、AIアルゴリズムを搭載したWi-Fi6対応のトライバンドメッシュWi-Fiルーター。

「Deco X90」の後継モデルとして、通信速度とCPUが大幅にパワーアップするとともに、ギガビット対応のWAN/LANポートも3つに増えました。

トライバンド対応で3つの電波を使いわけ、さらにAI搭載スマートアンテナがユーザーの利用環境などをモニタリングして、自動学習することでメッシュWi-Fi環境を最適化。

部屋のすみずみまで電波がカバーし、複数機器の同時利用でも干渉しない快適なインターネット環境を実現します。

また2.5GbEポートを搭載しているので、高速マルチギガビットの有線接続も可能です。

既存のLANネットワークを利用して、低コストでネットワークの高速化をはかりたい方にも、おすすめのハイエンドルーターです。

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「Deco X95」の概要

注目の3つのポイント

  • WiFi6対応、複数同時接続でも超高速な通信速度を実現
  • トライバンド対応(AX7800)で干渉しないように電波を使い分け
  • AIメッシュでユーザー環境を自動で最適化、ネットワークを拡張

こんな人におすすめ

  • 自宅が広く、最小限の無線ルーター数でカバーしたい
  • すべての部屋で安定した通信環境を実現したい
  • 無線化でレイアウトフリーな通信環境を実現したい
  • オンラインゲームや映像コンテンツを遅延なく楽しみたい
  • 家族も含めてネットに接続する機器が多い
  • インターネット上位回線2.5Gbpsと契約している
  • デザイン性のすぐれた無線ルーターを探している

製品仕様について

製品名 Wi-Fiルーター Deco X95(2パック)
型番 Deco X95 (2-pack)
メーカー TP-Link
本体サイズ 130 × 123 × 210.5 mm(幅×奥行×高さ)
本体重量 717g(1台あたりの実測値)
プロセッサー 1.7GHzクアッドコアCPU
利用間取り目安 1台:1~3LDK(最大カバー範囲288m2)
2台:4~6LDK(最大カバー範囲566m2)
最大接続台数 200台
無線通信規格 Wi-Fi 6
IEEE 802.11ax/ac/n/a 5GHz-1
IEEE 802.11ax/ac/n/a 5GHz-2
IEEE 802.11ax/n/b/g 2.4GHz
無線通信速度 AX7800
5GHz-1:4804Mbps(802.11ax, HE160)
5GHz-2:2402Mbps(802.11ax, HE160)
2.4GHz:574Mbps(802.11ax)
アンテナ数 ハイゲインアンテナ×4/スマートアンテナ×2
Wi-Fi性能 トライバンド、4×4 MU-MIMO、OFDMA、8ストリーム
動作モード ルーターモード、ブリッジモード
セキュリティ規格 WPA3対応(WPA/WPA2/WPA3)
ネットワークセキュリティ HomeShield対応
LANポート ・2.5Gbpsポート×1
・ギガビットポート×2
※各Decoユニット(WAN/LAN自動判別)
管理アプリ iOS・Android対応アプリ「Deco」
※Decoアプリver 3.0以降はAndroid 5.0以降にのみ対応しています
パッケージ内容 Deco X95(2パック)
・Deco X95ユニット×2
・RJ45 LANケーブル×1
・電源アダプター×2
・かんたん設定ガイド

機器設定・セキュリティ機能について

「Deco X95」はDecoシリーズ共通のスマートフォン用アプリ「TP-Link Deco」を使って機器の各種設定をおこないます。

‎TP-Link Deco
‎TP-Link Deco
開発者: TP-LINK GLOBAL INC.
金額: 無料+
TP-Link Deco
TP-Link Deco
金額: 無料

「Deco X95」は最新セキュリティ規格「WPA3」に対応。
さらに標準搭載されている「TP-Link HomeShield」を使うことで、QoS帯域制御や保護者制限、コンテンツブロック機能など、セキュリティレベルを高めるができます(無料のベーシックプランの場合)。

Deco本体の初期設定から、機器の追加、セキュリティ設定、本体のファームウェアのアップデートまで、すべてスマホのアプリで完結します。

参考 TP-Link HomeShield

「Deco X95」のレビュー

外観:マルチギガビットポート搭載、洗練されたシンプル家電デザイン

光沢のあるトップに、側面はマットなホワイトカラー

円筒形のデザインを採用し、アンテナは内蔵型ですっきりしたデザインです。

ロゴも控えめで、ホワイトカラーに統一されており、デザイン家電のよう。

本体背面の下部にWAN/LANポートを3つ搭載(2.5Gbps×1、1Gbps×2)し、安定した有線によるネットワーク接続も可能です。

WAN/LAN自動判別されるので、基本的にどちらのポートに挿してもOK。

旧モデルDeco X90では2ポートでしたが、さらに1ポート増設されて、より使い勝手が向上しました。

設置場所によっては有線ポートが不足する場合もあるので、これはうれしい仕様変更です。

2.5GbEポート活用法

「Deco X95」には2.5GbEポートが搭載されているので、マルチギガビットの有線接続が可能です。

上位回線が2.5Gbps以上の回線を契約している方は、WAN接続で最大のメリットを享受できます。

わが家のように上位回線が1Gbpsの場合はフル活用できませんが、2.5GbpsポートをWANでの使用ではなく、家庭内LANのポートとして活用することが可能です。

マルチギガビットイーサネットとは?

「マルチギガビットイーサネット」は、一般的に普及する1GbE(1000BASE-T)の通信規格からさらに高速な通信規格(2.5GbE・5GbE)のこと。

4K動画などの大容量データをすばやく転送できるメリットがあります。

最近では対応機器も増え、安価なCAT5eやCAT6のLANケーブル上で動作するため、導入コストが低く、お手軽に既存LANネットワークを高速化したい方にはおすすめのソリューションです。

マルチギガビットの有線接続例
家庭内LANで高速通信が可能となる

例えば、2.5GbE対応NASを「Deco X95」の2.5GbEポートに接続することで、家庭内では高速なデータやり取りが可能となります。
※家庭内LANは、2.5GbE対応のCAT5e以上でLANケーブルが敷設されている必要があります。

NASを導入することで、大容量の動画や写真などを各部屋からストレスなくみたい方には、理論上、2.5Gbpsの通信速度(1Gbpsの2.5倍)のスピードメリットを活かすことが十分可能です。
※実際の通信速度は、接続するNASなどのH/Wスペック(内蔵HDD等の性能)に依存するのでこの限りではありませんが、スピードは向上します

ここがイイネ!ポイント❶

マルチギガビットのメリットは、既存LANケーブル(現在主流のカテゴリー5e/6)をそのまま利用して高速化できること。

NASや、パソコンに接続するUSBタイプの有線LANアダプター、スイッチングハブなど、最近では2.5GbEに対応した製品が増えてきているので、対応機器を接続することでさらにスピードアップがはかれます。

マルチギガビット対応で高速化!

特長1:「Wi-Fi6」対応で複数同時接続×ハイスピード通信!

「Deco X95」は最新の無線通信規格Wi-Fi6に対応しています。

Wi-Fi6には主に3つのメリットがあります。

  • 高速通信(約9.6Gbps 従来比1.4倍)
  • 複数台同時通信に強い
  • 省電力

通信速度の向上は言うまでもなく、この中でも特筆すべきは、複数台同時接続に強く、省エネである点。

常時ネットワークにつながるIoT機器が増える中、省電力で、且つ安定して複数台の機器につながることは、これから将来を見すえた家庭内ネットワークを構築するにあたっては大切なポイントです。

その点「Deco X95」は、1.7GHzクアッドコアCPUを搭載しているので、パワーも十分。

「Deco X95」だけで実に最大200台まで同時接続可能です。

カバレッジも、1台で最大カバー範囲288m2(1~3LDK)、2台で566m2(4~6LDK)と広範囲。

建物の構造やレイアウトの都合で、電波が弱くても、Decoシリーズであれば後から追加して拡張することも可能です。
※Decoシリーズは最大10台まで増設して、相互接続が可能

ここがイイネ!ポイント❷

CPUパワーと、広範囲なカバー率×複数機器の同時接続数がウリの「Deco X95」。

お住まいのご自宅をまるごとスマートホーム化を実現したいのであれば、「Deco X95」はおすすめ。

カバレッジ抜群!

特長2:「トライバンド」対応で干渉なくサクサク通信!

「Deco X95」はトライバンドに対応。

トライバンドとは、5GHz帯2つと2.4GHz帯域1つ、あわせて3つの電波を使える無線ルーターのこと。

「Deco X95」は、8ストリームで最大速度は7,800Mbps(2.4GHz:574Mbps+5GHz-1:4.8Gbps+5GHz-2:2.4Gbps)

その内、5GHz帯の1つがDeco機器間の強力なバックホール専用(いわゆる基地局網)として機能するので、通信全体の安定性と速度向上が期待できます。

バックホールとは?

アクセスポイント(Deco機器同士)間の接続のこと。

デュアルバンドの場合、2.4GHzと5GHzでクライアントを接続するとバックホール用と共有になってしまいますが、トライバンドの場合、5GHzのバックホール専用帯域を設けることでクライアントに影響を与えないので、快適な通信が可能です。

Deco X95のバックホール専用の帯域は、旧モデルDeco X90の5GHz:1.2Gbpsから、2.4Gbpsと大きく向上しています。

トライバンドになることで
Deco間通信に専用帯域を使える

一般的に、2.4GHz帯域にはIoT家電クラス、5GHzには高画質コンテンツ視聴やゲームなど、安定な高速通信が必要なストリーミングデバイスやゲーム機器など、用途に応じて優先するデバイスを振り分けておくことがポイントです。

ここがイイネ!ポイント❸

複数デバイスが同時に接続しても、お互いに干渉することなくネットが快適です。

4Kや8Kといった高画質映像の視聴や、クラウドゲームも快適にプレイできるレベルです。

わが家ではPlaySation5には5GHzの帯域を割り当てて、無線で接続していますが、オンラインマルチプレイや大容量ダウンロードコンテンツもストレスなく、楽しめています。

ストレスなくサクサクつながる!

特長3:「AIメッシュ」搭載で賢く最適化、カバレッジ広い!

「Deco X95」をはじめDecoシリーズには、広範囲にネットワークを拡張する「メッシュWi-Fi」システムを搭載しています。

メッシュWi-Fiには、

  • Wi-Fiの届く範囲を拡張する
  • 複数機器が同時接続しても安定する
  • 最適なWiーFiに自動的に切り替わる

といった特長があります。

メッシュWi-Fiを使えば、親機から遠く離れた部屋や異なる階といった、家の中で電波が届きにくいところでも、Wi-Fiの通信範囲がすみずみまで広がり、安定したネットワーク環境をつくることができます

さらに「Deco X95」には、このメッシュWi-Fiに独自のAIアルゴリズム(AIメッシュ機能)を実装することで、スマートアンテナとして、より賢くなりました。

AIメッシュ機能により、一度設置すればユーザー側で特に意識することなく、「Deco X95」のAIがユーザーの利用環境や利用機器、利用状況などをモニタリング。

自動的に無線が届きやすくなるように「最適化」します。

ここがイイネ!ポイント❹

「AIメッシュ」は、ユーザーの利用環境などに合わせて、メッシュのWi-Fik環境が自動的にチューニングされ、より最適化されるのがポイント。
AIアルゴリズムで適用される情報はすべて、Decoデバイス本体のローカルに限定して保存されるため安心です。

ネットワークパフォーマンステスト結果(カバレッジと通信速度)

「Deco X95」はこれまでみてきた通り、Decoシリーズの中でも、Wi-Fi6対応×トライバンド×AIメッシュWi-Fiによるハイエンドモデルです。

ここでは、同一居住環境における各設置条件での無線のカバレッジと通信速度を計測してみました。

❶Deco X95(1台)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後12時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機(Deco X95 1台のみ)
  • バックホール:なし

Deco X95単体

❷Deco X95(2台)でメッシュWi-Fi(ワイヤレスバックホール)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後12時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機×子機(Deco X95×2台)
  • バックホール:ワイヤレスバックホール利用
ワイヤレスバックホール
(トライバンドの5GHzを活用)

❸Deco X95(2台)でメッシュWi-Fi(イーサネットバックホール)

  • 通信環境:上位回線1Gbps CATV光回線、共有LANタイプ
  • テスト空間:鉄筋マンション、100㎡(3~4LDK相当)
  • 計測時間:混雑しがちな午後12時頃
  • 計測ツール:速度はFast.com、状態はWi-Fiミレル利用
  • 設置方法:親機×子機(Deco X95 2台)
  • バックホール:イーサネットバックホール利用
イーサネットバックホール
(ブリッジモードで利用可能)

「Deco X95」パフォーマンス結果まとめ
※左側:親機、右側:子機周辺の通信速度
  • 単体Wi-Fi:690Mbps/360Mbps
  • 2台メッシュWi-Fi×ワイヤレスバックホール:690Mbps/610Mbps
  • 2台メッシュWiーFi×イーサネットバックホール:740Mbps/670Mbps
  通信速度下り(上り)

レイテンシ(アンロード済・ロード済)

  親機/子機周辺

親機/子機周辺

690Mbps/360Mbps
(670Mbs/200Mbps)

4ms・10ms/5ms・40ms
690Mbps/610Mbps
(680Mbps/500Mbps)
4ms・13ms/6ms・13ms
740Mbps/670Mbps
(710Mbps/640Mbps)
5ms・13ms/4ms・13ms

以上の結果から、「Deco X95」は安定した有線❶やトライバンドによる無線❷のバックホール機能を使うことで、より通信が安定してスピードとレイテンシが向上しています。

最大のポイントは、トライバンドのバックホール機能により、有線でのイーサネットバックホールで構築した環境と比較しても、無線だけでもほぼ同一の快適なネット環境をつくることができていることです。

またメッシュWi-Fiにより、無線電波が部屋のすみずみまで安定して届き、カバレッジも十分なことがわかります。

パワー最強の「Deco X95」は、さすが単体設定❶でもカバレッジと速度は十分でていましたが、通信の安定感や体感スピード感は、わが家では2台構成がベストの解でした。

ここがポイント!

「メッシュWi-Fi」×「イーサネットバックホール機能(有線・無線)」の組合せで、最強の家庭内ネットワークを構築。

どの部屋でもどの時間帯でも、安定した通信環境を構築することができます。

ご自宅にマルチメディア情報コンセントがなくても、無線によるバックホール機能で実現できるのがポイント。

メッシュWi-Fi×バックホール機能で最強!

まとめ:将来を見据えて長く使える、Decoシリーズ最強のパワフルな無線LANルーター

オススメ度:★★★★★

以上、TP-Link「Deco X95」のレビューでした。

「Deco X95」は、Decoシリーズのハイエンドモデルだけあって、高性能・ハイパワーです。

特に、

  • WiFi6対応、複数同時接続でも超高速な通信速度を実現
  • トライバンド対応(AX7800)で干渉しないように電波を使い分け
  • AIメッシュでユーザー環境を自動で最適化、ネットワークを拡張あ

が特長の無線LANルーターでした。

戸建てやマンションといった建物の構造に限らず、広い居住空間でどの部屋でも快適な無線ネットワーク環境をつくりたい方から、既存の有線LANネットワークを活用して、高速化をはかりたい方にはぴったりなソリューションです。

テキストのコピーはできません。