ついにネットワークレコーダー「nasne」がアップデートされ、外出先からのTV番組の視聴が可能となりました。
本来はアップデート当日に記事をアップしたかったのですが、大元のnasne君が突如お逝きになられたので、今更ながらのリモート視聴のレビューです。
ただ今回はわかりやすくするために、「TV番組を視聴する」観点でまとめました。
つまりDLNAやハイレゾ対応については今回は割愛しています。
Anytime TVとは?
今回のnasneのシステムソフトウェア2.50アップデートにより、実現されたのは次の機能です。
【nasneシステムソフトウエア バージョン2.50 アップデート内容】
・“Anytime TV”(お出かけ先からのテレビ番組リモート視聴)機能の追加
・DLNAアップロード機能の追加
・録画・再生状況の表示など「nasne? HOME」の機能追加
・FLACファイル配信機能に対応
・その他、システムソフトウェアの安定性向上と機能改善
特に目玉はAnytimeTV。
(エニータイムティービー!? いつも思うのですが、機能は違えど名前いろいろつけすぎ、アプリ多すぎ!このあたりはぜひユーザー視点で整理統合してほしいものですね。)
新機能の「Anytime TV」(エニイタイムティービー)は、外出先でも、PlayStation Vitaやスマートフォン、タブレットから自宅のnasneにアクセスして、放送中のテレビ番組や録画番組を視聴できる機能のこと。
nasneは送信側となり、受信側となるPS VITA以外にもiOS(iPhone, iPad)、Androidといったスマホも専用アプリを有償アップデートすることで、これまでローカルネットワーク視聴(宅内視聴)だけしかできなかったのが(こちらは元々VITAのみの機能)、今回のアップデートで宅内でも宅外でも視聴できるようになったのです。
これは知る人ぞ知る、過去にソニーが世間を先取りして開発した「ロケーションフリー」(PSP、アナログ放送対応)が復活!ついに実現された待望の機能です!
これまではPS3、PS4のtorne(トルネ)、その他DLNAクライアントアプリでの視聴でしたが、スマホ用の公式アプリ(500円の有料アドオン購入)でもTVをみることができるようになったのは大きい進歩です。
対応アプリとできること
今回、受信側でアップデートされたアプリは以下の4つ。
①torne for PS VITA:SCE公式 → 無償アップデート(torne本体アプリは現在有料)
②nasne ACCESS(Android):SCE公式 → 有料500円(税込)のアドオン購入
③TV SideView (iOS):SONY公式 → 有料500円(税込)のアドオン購入
④TV SideView (ANdroid):SONY公式 → 有料500円(税込)のアドオン購入
ちなみに、私は①VITA用のtorne、②Xperial/NEXUS7(2013)用のnasne ACCESS、③iOS用のTV SideViewを購入しました。
Androidに関しては常に携帯しているわけではなく、またSCE公式アプリのnasne ACCESSのほうがSONY公式のTV SideViewと比較して、TV番組だけではないコンテンツにもアクセスできる機能があったので選択しました。挙動もサクサクです。
posted by: AndroidHTML v2.3
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実際の使用感(PS VITA版torne、iOS版TV SideView)と注意点
ネットワーク等の使用環境にもよりますが、リモートでのTV番組視聴は思った以上に滑らかです。
ただ映像が出力されるまでにしばらく時間がかかります。参考値となりますが、
・録画番組のストリーミング配信で実際に映像がでるまで約6秒
・ライブ放送のストリーミング配信で実際に映像がでるまで約10秒
試した環境(torne for PS VITA@自宅外WiFi)ではライブ放送は時々カクツク程度。録画番組は問題なくスムーズに視聴できました。
これは画質優先にしていたためと思われ、後に通信優先設定した場合は、待ち時間(バッファリング)が少し軽減され、かくつくこともなくなりました。
またiPhoneのTV SideViewを使い、外出先にてモバイル接続(LTE)の場合では
・録画番組のストリーミング配信で実際に映像がでるまで約4秒、
・ライブ放送のストリーミング配信で実際に映像がでるまで約6秒程度
でした。ユーザー環境にもよるので、あくまでも参考値としてください。
いずれにしても実用できるレベルだと感じました。
↓ 外出先=LTE(4G)環境で、nasne上の録画コンテンツにアクセスして視聴してみた。
「モバイル視聴」を選択すると、nasne接続中と表示される。
↓ 映像が再生されるまでに約4秒程度かかるが、カクツクことなくスムーズに再生される。
ライブ放送もためしてみましたが、再生まで若干時間がかかる程度で、こちらもWiFi環境と比べてもそん色なく映像が再生される。
Anytimeアクセスは大変便利な機能ですが、利用にあたって制限があります。気をつけるポイントとしては以下の3つ。
①リモート視聴で配信する映像の帯域は2~1Mbpsであるため、まず各家庭の上り回線の速度はこれ以上の速度が必要です。
リモート視聴前提で考えると、設定が画質優先ではなく、通信速度優先で設定しておくとスムーズに視聴することができます。
②nasne本体と機器をリモート機器として使用するPS Vitaとの認証が90日に一度必要です。
それ以上を過ぎると、次に認証しない限り視聴ができなくなってしまうので注意しましょう。
認証はローカルのWi-Fiで接続するだけで行われますが、物理的に同じネットワーク内にいることが前提になります。
短期の出張には問題ないですが、90日を越える長期の出張には制限があるため注意が必要です(ただし抜け道はありそうですが・・・)
③WOWOWなどの一部CSチャンネルなど、リモート操作によるリアルタイム視聴ができないチャンネルがあります。
これはNexTV-Fの規定で業界仕様として割り切るしかない。ただし、録画をしたものなら視聴可能となっています。
想定される視聴スタイル
正直なところ、外出先でTV番組をみたいニーズが私自身としてはそれほどないのです(それでも新しい機能は試してみないといられない性格・・・)。
普段は自宅内LANでバスルームなどで視聴していますが、外出先のカフェなどのWiFi環境でリモート視聴(主にライブよりはとりだめた録画コンテンツの消費)に使えるのではないかと思います。
あとは出張先のホテルや新幹線などで移動中に暇つぶしのため視聴する用途でしょうか。
今回、モバイル機器(iOS、Android、PS VITA)の各アプリがリモート視聴対応したものの、持ち運びのため台数が増えると大変なので、必然的にiPhoneのTVsideViewでの視聴に私は落ち着きそうです。