次世代のインターネット接続方式として注目されている「IPv6(IPoE)」。
混雑しがちな従来の「IPv4(PPPoE)」の通信回線とは異なる、次世代ネットワークと通信設備を経由してネットワークに接続します。
そのため従来と比べて、通信回線が混みがちな夜間などの時間帯では非常に高速になり、ストレスなく安定且つセキュアーにつながるインターネット接続サービスを利用することができます。
今回レビューするTP-Linkの「Archer AX73」はWi-Fi6対応製品としては初となる、次世代のIPv6 IPoE対応の無線LANルーター。
最新のネットワーク接続方式に対応するだけでなく、最新のWi-Fi6と拡張性のあるメッシュWi-Fiにも対応したハイスペックなモデルです。
「TP-Link Archer AX73」の概要
一押し!注目ポイント
- Wi-Fi6対応で同時接続でも超高速で快適な通信
- IPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)対応で混雑回避
- 中継器との組み合わせでメッシュWi-Fi構築可能
次世代通信規格に対応した、まさに全部入りのハイスペックなWi-Fiルーターで、長く使える製品としてオススメです。
高機能ながら、使いやすいアプリ「Tether」で初心者から上級者まで幅広く使えます。
製品仕様をチェック
製品名 | TP-Link Archer AX73 |
ワイヤレス規格 | Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a 5 GHz IEEE 802.11ax/n/b/g 2.4 GHz |
Wi-Fi速度 | AX5400 5 GHz: 4804 Mbps (802.11ax, HT160) 2.4 GHz: 574 Mbps (802.11ax) |
IPv6 IPoE (IPv4 over IPv6)対応 |
v6プラス・OCNバーチャルコネクト・DS-Lite |
動作モード | ルーターモード、 ブリッジモード(アクセスポイントモード) |
有線WAN/LANポート | ギガビットWANポート× 1 ギガビットLANポート× 4(うち2つは静的リンクアグリゲーション対応) |
USBポート | USB 3.0ポート× 1 ※対応フォーマット:NTFS, exFAT, HFS+, FAT32 ※簡易NAS機能として利用可能 |
推奨利用環境 | 4LDK、最大接続台数80台 |
CPUプロセッサー | 1.5 GHz トリプルコアCPU |
アンテナ | 高性能固定アンテナ× 6 |
電源 | 12 V ⎓ 2.5 A |
システム要件 |
Microsoft Windows 98SE/NT/2000/XP/Vista™/7/8/8.1/10 IE 11やFirefox 12.0, Google Chrome 20.0, Safari 4.0以上の Javaに対応したブラウザ |
商品サイズ | 幅272.5 × 奥行147.2 ×高さ49.2 mm |
パッケージ内容 | Archer AX73 本体 電源アダプター LANケーブル かんたん設定ガイド |
公式サイト(製品仕様) Archer AX73
公式サイト IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)対応確認済みリスト
スマートフォン用アプリはこちら。
「TP-Link Archer AX73」のレビュー
デザイン・外観:幾何学的でスタイリッシュ
スタイリッシュな筐体に6本の外部アンテナを搭載し、6ストリーム最大4804Mbps(理論値)の無線LAN通信に対応しています。
本体上部の中央を斜めに走るラインが斬新的。
本体には菱形の幾何学的なモアレ(縞模様)がほどこされていて、なかなか個性的なデザインです。
デザイン性のよさだけではなく、モアレには通気孔が施されているので、放熱性を考慮した構造になっています。
底面も同様に通気孔があるので、長時間稼働していてもほんのり熱を持つ程度で気になりません。
外部ポートも充実。
背面にある有線WAN/LANポートは1GbpsのギガビットWANポート× 1、ギガビットLANポート× 4(うち2つは静的リンクアグリゲーション対応)を搭載。
安定した有線接続も可能です。
右側面にはUSB3.0ポート×1があり、外部ストレージを接続することで「簡易NAS」として利用することができます。
機能1:IPv6 IPoE対応で混雑回避!
「Archer Ax73」最大のポイントは、TP-LinkのWi-Fi6対応製品としては初めて次世代のインターネット接続方式「IPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)」に対応したこと。
IPv6 IPoEのメリットはひとことで言えば、従来のインターネット接続に比べて「ピーク時の混雑回避」が期待できます。
従来のIPv4とIPv6は一般道と高速道路で例えられるように、特にネットワーク回線が混みがちな夜間の時間帯はストレスない接続環境を実感することができます。
このように、IPv6はこれまで大多数の人がアクセスしているIPv4(PPPoE)とはまったく別の通信回線となり、より高速で快適なインターネット接続が可能となるわけです。
※IPv6 IPoEを利用するためには、対応した回線の契約と利用手続きをしておく必要があります。対応ISPはこちらを確認してください。
参考(公式サイト) IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)対応確認済みリスト
IPoE(v6プラス・OCNバーチャルコネクト・DS-Lite)をすでに利用している方であれば、特に設定する必要はなくONUからLANケーブルを「Archer AX73」につなぐだけで自動検出、ネットワーク接続設定が完了します。
機能2:Wi-Fi6対応でサクサク速い!
「Archer AX73」は最新規格のWi-Fi6対応しています。
本体からのびる外部アンテナ6本と独自のFEM(パワーアンプ)を搭載し、4T4R(4送信4受信)・ビームフォーミング技術がさらに加わることで、パワフルにWi-Fiの電波を届ける仕組みをハードとソフト両面であわせもったルーターです。
Wi-Fi5とWi-Fi6の比較
比較のため、Wi-Fi5無線ルーターとWi-Fi6無線ルーター(Archer AX73)で、電波の強弱とスピードを計測してみました。
※上位回線の上限が100Mbpsの環境下で計測
※アプリ「Wi-Fiミレル」にて電波状況を計測
Wi-Fi5無線ルーターでは、親機から遠ざかるにつれて電波状態が弱くなり、スピードも大幅に落ちていることがわかります。
一方、Wi-Fi6対応ルーター「Archer AX73」の計測結果がこちら。
一世代昔のWi-Fi5と比べると、広いフロアーでも電波も広範囲に届き、接続スピードも十分でていることがわかります。
親機から最も離れたスペースでは電波状態は弱くなっていますが、スピードは十分でています。
Wi-Fi6は下位互換があるのでWi-Fi6対応デバイスをもっていなくても大丈夫。
もし古い規格の無線LANルーターを使っているのであれば、Wi-Fi6対応の機器に交換するだけでも、CPUパワーなど機器そのものの性能もあがっているので交換メリットは十分ありますよ。
機能3:メッシュWi-Fi対応で隅々まで届く!
2階建ての戸建てやマンションなど3LDK以上の広い住居では、コンクリートの壁やドアが何枚も隔てるので、部屋のすみずみまで1台でカバーするのはなかなか厳しいのが現実でしょう。
そんな時でも「Archer AX73」であれば、導入後に万が一、電波が届きづらい場所があっても大丈夫。
「Archer AX73」はTP-Linkの独自規格 OneMesh™に対応しています。
OneMesh™対応の中間機器を導入すれば、さらに広範囲に安定したメッシュWi-Fi環境を構築して、電波を広範囲に拡張することができます。
※最大2台まで対応する中間機器を増設可能です。
OneMesh対応の中継器「RE605X」を今回メッシュWi-Fiのノードとして、住居の中心部にあたる廊下に追加してみました。
御覧の通り、電波が住居のすみずみまで行き渡り、スピードも向上していることがわかります。
また、Wi-Fiを拡張する中継器ではアクセスポイントのSSIDをわざわざ手動で切り替える必要がありますが、メッシュWi-Fiでは自動的に最もよい電波につながるので手間いらずです。
もし電波が弱いかな?とおもったら、ぜひメッシュWi-Fiにしてみましょう。
「Archer AX73」単体でもWi-Fi6対応デュアルバンドで広範囲をカバーします。自宅の環境や建物の構造によっては住居全体をカバーできない場合でも、後から追加で簡単にメッシュWi-Fiにできるので安心ですね。
Wi-Fi6×IPv6×メッシュWi-Fi全部入り コスパ優れる次世代無線LANルーター
「Archer AX73」はグローバルシェアNo.1を誇るTP-LinkのWi-Fi6対応製品としては、初の最新通信規格「IPv6(IPoE)」に対応した無線LANルーターです。
Wi-Fi6対応×IPv6対応×メッシュWi-Fi対応とハイスペック。
これだけ高機能な無線LANルーターが1万円台前半とコストパフォーマンス抜群です。
もしあなたがIPv6対応の光回線の契約済み、またはこれから導入を検討しているならば、現時点でおすすめの無線LANルーターといえるでしょう。
高機能ながら、TP-Link製品ではおなじみの「Tether」アプリの使い勝手もよく、初期設定も簡単。
初心者でもすぐに使いこなすことができますよ。
OneMeshに対応した中継器はこちら。
Archer AX73と組み合わせて使うことで広範囲で安定したメッシュWi-Fi環境を構築することができます。