今回仕事で台湾に短期間滞在する機会があり、現地で地図やお店検索、メール、LINEやIP電話を利用するために、auの提供するローミングサービス、「世界データ定額」プランを利用することにしました。
1.現地で通信事業者が販売するSIMカードを購入する
2.WiFiルーターをレンタルする
3.国内の通信事業者が提供するローミングサービスを利用する
4.無料のスポットWiFiに接続する(ホテル・空港・施設等)
本来は現地SIMを購入して(上記1)、普段使っているスマホにさして使えば安くすむのですが、残念ながら現在使っているiPhoneはSIMロック解除対象外であるため、このお得技は使えません。
WiFiルーターのレンタルなど(上記2)も考えましたが、渡航まであまり時間もなかったことと現地滞在先のホテルを含めて、あらゆる場所でフリーWiFiが普及していることもあり、基本はWiFiで必要な時だけ一時的にauの提供するローミングサービス、「世界データ定額」(上記3)を使い分けることにしました。
auには「世界データ定額」と「海外ダブル定額」の2つのサービスが提供されていますが、現在は前者の「世界データ定額」を大々的に打ち出しています。
そのため基本的にはデフォルトでは「世界データ定額」を選択することになります。
しかも「世界データ定額」であれば、テザリングを使ってPCやスマホ・タブレットを複数台接続できるので、レンタルしたWiFiルーターと同様に複数人でデータ通信をシェアできる点もポイントです。
※国・地域によっては世界データ定額は選択できず、海外ダブル定額、または従量制を選択することもあります。渡航先によって使えるかどうかはこちらのページにて確認できます。
また同時に両方のプランを併用することはできないため、サービスの利用しやすさと料金が従来よりもリーゾナブルという点で、「世界データ定額」が1択になるのではないでしょうか。
今回はお手持のスマホをそのまま海外で利用できる、「世界データ定額」の利用方法や使用感などをご紹介します。
海外SIM・WiFiルーター不要のauの「世界データ定額」とは?
「世界データ定額」とは、auが提供する、1日あたり980円の追加料金で、世界150以上の国・地域でスマートフォンのデータ通信が利用できるローミングサービスです。
ポイントはデータ通信量が国内で契約しているデータ定額サービスのデータ通信量からカウントされるところです。
一方、従来の「海外ダブル定額」は24.4MBまでのパケット通信が1980円/日、これをこえるデータ通信量は2980円/日さえ支払えば無制限のプランです。
つまり、「世界データ定額」は海外で国内で契約しているデータ定額サービス/料金プランの範囲内でデータ通信を使うことができる権利を得るサービスなのです。
※渡航先でデータ通信残量がなくなった場合は、国内と同じく、通信速度が128kbpsと低速モードになりますが、使うことは可能です。
また追加データチャージでデータ通信量を購入することもできます。
従来の「海外ダブル定額」と異なり、日本時間の区切りで計算する(1日単位)のではなく、「世界データ定額」はサービスを開始した時点より24時間適用されるのでわかりやすい料金設定になっています。
※出典:au公式サイト
また、使い方も簡単(詳しくは後述)。
渡航先に到着次第、世界データ定額のアプリを起動して「利用開始」をタップするだけです。
24時間を過ぎると自動的にサービスは停止するので、うっかり自動継続してお金を余計に支払う心配はありません。
24時間単位ではありますが、まさに必要な時にだけ、タップひとつでいつでも申し込みができる便利なサービスです。
「世界データ定額」を利用できるための条件と設定方法
世界データ定額を利用できる条件
auの「世界データ定額」を利用するための条件は、無料のオプションである「データチャージ」に加入していることです。
※データチャージはMy auより申込ができます。
世界データ定額の事前設定
あとは渡航前に日本国内で「世界データ定額」を使えるように初期設定しておくようにしましょう。
手順としては、2ステップです。
- ステップ1データローミング設定スマホの設定から、「データローミング」をオンにする。
- ステップ2アプリのインストールスマホのOSに合わせて、各アプリストアより「世界データ定額アプリ」をインストールして初期設定をすませる。
それでは順に設定していくことにします。
<ステップ1:出発前>
まず、ステップ1のデータローミングの設定です。
■iPhone(iOS10以降)の場合
「設定」 → 「モバイルデータ通信」 → 「通信のオプション」 → 「ローミング」 → 「音声通話ローミング」をオン・「データローミング」をオン・「グローバルCDMA」をオフ
■4G LTEスマートフォン・タブレット(Android)
「設定」 → 無線とネットワーク「もっと見る」 → 「モバイルネットワーク」 → 「ネットワークモード」 → 「自動」 → 「データローミング」をオン
以下、iPhoneの場合の設定方法になります。
設定画面より「モバイルデータ通信」を選択、「通常のオプション」を選択して、ローミングを切り替えます。
↓ローミングを選択して、ここで「音声通話ローミング」をオン、「データローミング」をオン、「グローバルCDMA」の表示がある場合はオフにします。
<ステップ2:出発前>
初期設定といっても、アプリのガイダンスに従って設定するだけなので簡単です。
アプリを各ストアでダウンロードしたら、起動後、au IDでログインします。
データチャージ(無料)への加入、データローミングの設定をアプリの指示通り行います。
すでに「ステップ1」でデータローミングの設定をオンしていて、データチャージも加入済みであればスキップ。
初期設定のチェックは完了です。
世界データ定額の利用開始(到着後)
あとは渡航先に到着したら、アプリの「利用開始」ボタンををタップするだけですぐに使うことができます。
アプリを使う方法が最も簡単ですが、もし国内でアプリのインストールや初期設定を忘れていても大丈夫です。
渡航先に到着後、「世界データ定額」の利用開始には2つ方法があるからです。
1つはアプリを使う方法。
機内モードをオフにしてから、「世界データ定額アプリ」を起動して「利用開始」ボタンをタップする。
※アプリそのものも事前に忘れた場合、渡航先のフリーWiFiがあればアプリをインストールして設定すれば使えます。
もうひとつはブラウザ(専用ページ)を使う方法です。
入国時にSMSで利用開始できるメッセージがauから届きますので、メッセージ内に記載されているリンク先をタップしてひらく専用ページの「利用開始」ボタンをタップします。
左がアプリの画面、右がブラウザーでひらいた専用画面です。
どちらの画面でも利用開始後、残時間を確認することができます。
また、世界データ定額の利用開始や終了のタイミングは、都度SMSでメッセージが届くので利用内容を確認できるので安心です。
↓こちらはアプリでの残時間の表示画面です。
24時間後は自動でサービスが終了するので、継続して利用したい場合は同じように「利用開始」をタップするとその時間より24時間利用することができます。
「世界データ定額」運用上の注意点
使用しない時はローミング設定をオフにする
海外でのデータ定額サービスとしては、普段使っているスマホをそのまま使える点で気楽につかえるのがメリットですが、運用上で注意するべきポイントがあります。
それは、「世界データ定額サービス」を使わないときは、スマホの「ローミング設定」を”オフ”しておくことです。
ホテルなどのWiFiを使いたい場合は、ローミングの設定をオフにした上で、WiFiをオンにすればWiFiは常に使うことができます。
もしくは「機内モード」を”オン”にしておき、WiFiをオンにしておけばWiFiには接続が可能です。
使うタイミングによっては、24時間の利用期間終了が就寝中に訪れてしまった場合は意図せずパケットを使ってしまう可能性があるため、就寝前には必ず「ローミング設定をオフ」、または「機内モードをオン」にしておくようにしましょう。
ここはアプリ側では制御できない点なので、利用するにあたっては注意が必要です。
利用後は利用明細を確認しましょう!
利用明細は翌月上旬にならないと更新されませんが、確定料金を確認しておきましょう。
スマホのアプリではこのように内訳を確認することができます。
au STARギフト特典で毎月1回までは無料なので、1か月分の料金(980円)が差し引かれています。
「世界データ定額」を使ってみての感想 短期滞在にはオススメ!
渡航先ではじめの利用だったので、空港に到着してSMSがくるまでは内心ドキドキでした。
機内モードをオフにして間もなく、auから世界データ定額の案内がきたので、アプリを起動して「利用開始」をタップ。
あっけないほど簡単に台湾ローカルの「中華電信」というキャリアに自動接続して、すぐにインターネットが使える環境が整いました。
実際に1週間ほど使ってみての感想としては、通信速度も体感上は日本で使っている分となんら変わりはありませんでした。
ストレスなく、現地のお店を検索したり、050plusでの通話やLINEで日本にいる家族とコミュニケーションもできました。
ただコストという点では、当たりまえですが海外では現地のプリペイドSIMを購入したほうが格安なのは言うまでもないです。
SIMフリーのスマホをお持ちの場合は現地の空港などで、滞在期間に相当するSIMをプリペイドで購入して使うほうが安くあがります。
到着した空港でも現地の通信事業者が現地のSIMを販売しており、その場で設定もしてもらえるので楽です。
とはいえ、auのローミングサービス「世界データ定額」はSIMフリーのスマホではない方や海外が不慣れでそのような手続きも面倒くさい!という方にとっては、海外でストレスなくお手軽に利用できるサービスです。
テザリングを使えば、ノートPCやタブレットなども複数台接続できるため、観光でもビジネスでも使えます。
普段使い慣れたスマホだけ持参すればよく、WiFiルーターなど余計な機器を持ち運ぶ必要がないので、スマホのバッテリーだけ気にしておけばよいのですから。
尚、「au STAR会員」であれば、「世界データ定額」が毎月1回分24時間が自動で無料適用されますので、海外に渡航される際はぜひ利用してみてください。
【番外編】海外用モバイルWiFiルーターをレンタルする
海外用モバイルWiFiルーターをレンタルするケース
「世界データ定額」など国内通信事業者が提供するローミングサービスを利用すれば、普段使っているスマホだけ持っていけば、すぐに使えるのがメリットでした。
一方、海外用モバイルルーターの場合は、グループで旅行するケースやテザリングしたスマホで他の人にデータをシェアしたくない方にとっては、選択肢のひとつとなっています。
1日あたりの料金もデータ量の上限はあるものの、レンタル料金も1日1000円程度と割安です。
ルーター1台で複数のデバイスに接続することができるため、一緒に旅行する仲間や家族間で割り勘でシェアするなんて、使い方もできるのです。
利用も渡航前日までにネットで予約(クレジットカード必要)して、渡航当日に空港で受け取るだけ。
返却も帰国後、空港で返却するだけです。
- 渡航前ネットで予約する前日までにネットで予約する(クレジットカード必要)
- 空港け受け取るルーター提供会社のサービスカウンターで機器を受け取る
- 高額パケット代の請求がこないように設定変更「モバイルデータ通信」・「クラウド連携(iCloud)」・「アプリの自動アップデート』」等の自動通信サービスは全てOFFにする
- 渡航先接続設定をおこなう接続したいスマホにWiFiルーター固有のSSID・PW入力設定をおこなう
- 現地で利用開始スマホをWiFiルーターに接続して使う
- 帰国後機器を返却するルーター提供会社指定のカウンターまたは返却BOXへレンタルした機器を返却する
ただ一方で、1台のWiFiルーターだけレンタルした場合、インターネットに接続するためには常に行動を共にしなければならない、ルーターの盗難・紛失・破損対策として補償プランにはいったほうがよい、ルーターのバッテリーに気を使うなどの注意点はあります。
また、1日のデータ利用料が決まっているため(250MB/日)、大量のデータ量を必要とするサービス、例えばYoutubeなど動画コンテンツの視聴は避けるべきです。
どうしても視聴したい場合はホテルのWiFi接続サービスなどを利用する。
あくまでもGoogleMapやブラウザーでインターネット検索したり、IP電話・メール・LINEといったコミュニケーション用途で使うことを前提としたサービスだということを念頭に使い分けるとよいでしょう。
オススメの海外用モバイルWiFiレンタル事業者
海外で使えるモバイルWiFiルーターをレンタルする事業者は国内でもたくさんありますが、利用するにあたって注意するべきポイントは・・・
1.高速通信(4G/LTE)対応国数
2.受け取り拠点数(空港で受け取り・返却ができるか)やサポート体制
3.利用料金(補償プラン含め)と利用プランのバリエーション(大容量プラン等)
の3つです。
支払い方法の多様性(クレジットカード以外にも選択肢があるか)も利用者によっては選択のポイントになるでしょう。
個人的にオススメなのは「グローバルWiFi」です。
モバイルWiFiルーターを受取と返却できる空港カウンターの数の多さ(業界No.1)、24時間年中無休のサポート体制、料金プランや支払い方法のバリエーションなど、総合的にバランスのとれたサービス事業者だと感じています。