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【防災】ポリ袋調理法(包装食袋)は被災時にも炊飯からオカズもできる万能調理法

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油を使わないヘルシーな調理法として人気の「ポリ袋調理法」

ポリ袋に食材をいれて袋ごと茹でることで、袋の中が真空状態になることを利用した、プロのテクニック「真空調理法」を家庭でも簡単にできるようにアレンジした調理法です。

ポリ袋を使うことで、食材そのものに味が染みやすく、柔らかくなる効果があります。
袋の中で真空状態にすることで旨味を逃さないので、調味料の浸透もよくなり、結果的に少ない量で済むため低カロリー。

わが家では唐揚げの下味付けや蒸し鶏などに活用中。

そしていつもならばボウルなどを使うところを、ポリ袋を使うことで洗いものを減らすことができるメリットもあります。
また袋の上から手で揉みこむことで調理過程で手も汚れません。

時短になるばかりか水道費も節約できる、とっても便利な調理法なのです。

被災時にも活用できる万能ポリ袋調理法

そもそも私が「ポリ袋調理法」に興味を持ったきっかけは、防災のための装備や備蓄品を見直している過程で、非常時にご飯を炊いたり、食材を温めて調理できる「包装食袋」の存在を知ったからです。

包装食袋は別名、高密度ポリエチレン(HDPE)と呼ばれる引張強度や耐熱性のある材質でつくられた半透明のポリ袋です。
高密度ポリエチレンはさわると「シャリシャリ」や「カシャカシャ」という音がします。
最大110℃までの耐熱性があるので、湯煎で茹でる調理には最適。

この高密度ポリエチレンをつかった災害救助用の包装食袋としては、日本赤十字社や自治体でも使われている「ハイゼックス炊飯袋」が有名ですが、やや高めの価格設定(100枚で1,200円~1,500円程度)です。

しかし、日常的に使用するには食品用の高密度ポリエチレンのポリ袋であればコスパもよく、細長い袋の形状が特徴の包装食袋と違って、ものの出し入れがしやすいので非常時だけではなく、普段の調理にも使えるので便利です。

私が愛用しているのは、カセットガスコンロで有名な岩谷マテリアルの「アイラップ」という商品です。
耐熱温度は120℃で調理可能なポリ袋です。

最近では低温調理ブームにのってか、安価で手軽に利用できる「調理用ポリ袋」が多数販売されていますが、その中でも「アイラップ」は袋の底にマチがあり、箱から1枚ずつ取り出しやすい形状なのでとても使いやすいです。

アイラップ以外にも調理に使えるポリ袋はありますが、選ぶポイントとしてはできれば国産で、熱に強い高密度ポリエチレンの素材を使った「食品用」のポリ袋です。
必ず、品質表示の内容や材質が高密度ポリエチレンかどうか確認の上使用しましょう。

高密度ポリエチレン袋(ポリ袋)調理法のメリットとコツ

ポリ袋調理法の6つのメリット

冒頭で書いたように、ポリ袋の中に密閉して調理することで様々なメリットがあります。
主なメリットは次の6つ。

1.真空状態になり食材の栄養分や水分の流失が少なく、低温で中まで加熱できるので、旨味も香りも逃げない

2.少ない調味料で効率よく下味をなじませ、調理時間を短縮できる

3.袋の上から混ぜたり、つぶすことができるので手が汚れない

4.1つの鍋で複数調理ができ、調理器具が少なくなるので、洗い物の手間が省ける

5.油を使わない調理もできるため、ヘルシー

6.使用後に焼却処分しても、ダイオキシンなどの有害ガスが発生しないので安心

特にお肉との相性もよく、わが家でもよくつくる「鶏ハム」などはポリ袋で低温調理することで、中までゆっくりと火が通るのでパサつきなくジューシーな仕上がりになります。

ポリ袋調理法の4つのコツ

また、ポリ袋調理法は次の4つのポイントを抑えることで、誰でも美味しく調理することができます。

1.ポリ袋を真空状態にするコツ

水を張ったボウルの中でポリ袋を軽くおさえると、水圧できれいに袋内の空気が抜けます。

2.輪ゴムの縛り方

水中でポリ袋の下をつかんだまま、くるくる回しながらねじり、なるべく上方で輪ゴムでしばる。
ポリ袋にいれた具材ぎりぎりで縛ると、湯煎調理で中身が膨張して破裂するおそれがあるので、容量に余裕をもたせる。

3.食材の温め方

食材は平たくしてお湯にいれて、時々表裏を返しながら、均一に温める。

4.沸騰したら弱火の中火に。お湯の温度が70℃台をキープ。

鍋でつくる場合は、お湯を一度沸騰させてからポリ袋を入れ、その後お湯の温度を70℃台にキープする。
水面をなるべくぐらつかせないことがポイント。 圧力鍋であれば、火をとめて蓋をして蒸すことで効率良く火が通る。

高密度ポリエチレン袋(ポリ袋)でつくる非常食レシピ

ポリ袋でつくる美味しいご飯レシピ

今ではメジャーとなった「ポリ袋調理法」ですが、もとはフランスでメジャーだったプロの調理法「真空調理」がベースになっています。

プロの真空調理を家庭でも手軽にできるように、ポリ袋でつくる調理法として広めたのがシェフの川平秀一さんでしょう。
揚げる、炒める、焼く等なんでもOKのポリ袋調理法のレシピ集は出版されています。

わが家では普段の料理では一工程としてポリ袋を取り入れることが多いのですが、やはり被災時にはポリ袋をフル活用することで非常食にレパートリーができるのは心強いですね。

ポリ袋でつくる非常食レシピ

炊き出し名人

日本赤十字社の静岡県支部の公式ページでは、「包装食袋」でつくるレシピ集「炊き出し名人」を無料配布しています。
現在公開されているレシピブックは2種類。

「炊き出し名人」 vol.1では和・洋・中、デザート、地域食までバラエティに富んだアイデアレシピ16選を、「炊き出し名人」vol.2では管理栄養士がおすすめするヘルシーメニュー16選が掲載されています。

PDF形式でも無料ダウンロードできるので、万が一に備えてプリントアウトしておき、防災グッズと一緒に備えておくとよいでしょう。
こちらの無償版で十分です。

サイト 炊き出し名人(日本赤十字社 静岡県支部)

工夫次第でいろいろな味付けや具材を使って、バリエーションのある料理をつくることができそうです。

今回、自分用のメモとして基本となる「白いご飯」の炊き方と、ホットケーキミックスでつくる「蒸しパン」を備忘録として残しておきます。

1.白いご飯の炊き方

【材料(1人前)】

・米 100g

・水 100cc ※無洗米が便利、その場合は水を2~3割ほど多めにいれる。

【作り方】

1.ポリ袋の中に米と水をいれてしっかりと空気を抜き、できるだけ袋の上のほうで輪ゴムで縛る。

2.沸騰した鍋のお湯の中に1のポリ袋を浮かべて30分間煮る。※袋を入れた瞬間、一時的に温度が下がるので再沸騰してから30分。

3.30分経過したら、湯が引き上げて5~10分程蒸らして出来上がり。

4.器にそのままポリ袋をかぶせて食べると、食器を洗う水を節約できる。

炊き上がったご飯に塩昆布や梅干をまぜて食べるのもよい。
また、ポリ袋の中に米と一緒に山菜水煮やさつまいもをいれると彩りご飯になる。

2.ホットケーキミックスで蒸しパン

【材料(1人前)】

・ホットケーキミックス 100g

・水、または牛乳 100cc

・ココア、干しブドウ等(なくてもよい)

【作り方】

1.ポリ袋の中にホットケーキミックスと水または牛乳をいれてしっかりと空気を抜き、できるだけ袋の上のほうで輪ゴムで縛る。

2.味付けする場合はココアなどをいれたり、干しブドウを具として混ぜてもよい。

3.沸騰した鍋のお湯の中に1のポリ袋を浮かべて20分間煮る。

4.茹で終わったら、蒸しパンがしぼまないように包装食袋が穴をあける。

生米やホットケーキミックス、そして水さえあれば即席で調理できるポリ袋は万能ですね。

いわゆる防災用のアルファ米や備蓄用のパンも便利ですが高価です。
このように安価につくることができることも覚えておくと、万が一の時に役立ちます。

高密度ポリエチレン袋(ポリ袋)で白いご飯を炊く方法

※2017/10/14追記

高密度ポリエチレン袋を使って、実際に炊飯してみることにします。

必要なのものは、ポリエチレン袋1枚、2人前で生米(無洗米ではないもの)を1合150g(カップで180cc相当)、お水150ccです。
そしてカセットガスコンロと圧力鍋に竹ざるを用意しました。

ご飯のお供は、S&Bの「親子丼」です。

親子丼

生米をポリ袋でいちから炊飯してみる

1.圧力鍋に竹ザルをいれて、お湯を沸かします。強火で約7分半でわきました。

お湯沸かす

2.ポリエチレン袋に生米(1合;150g)と水(150cc)をいれて真空状態にしたうえで輪ゴムでしばったものを平らにして、沸騰した圧力鍋の竹ザルの上にのせます。
ここから中火の弱火で約30分温めます。

圧力鍋の蓋は完全に密閉するのではなく、ややずらしておきます。

温める

3.30分経ったら、お米を取り出し、ボウルに放置して約10分程蒸らします。

蒸らす

4.空いた圧力鍋に親子丼のレトルトパックをいれて蓋をして10分間放置します。

親子丼温める

5.蒸らし終わったら、器に移します。

↓なかなかいい感じに炊き上がっています。この段階では多少お餅のように固まっているようにみえます。

蒸らし終わり

器に取り出して、お箸でほぐすとご覧の通り。
ちょっと固めかもしれませんが、ここは水分調整次第で御好みの固さにかえることができます。

ご飯完成

6.親子丼の具をのせて出来上がり!

親子丼の具にも水分があるためか、食べているうちにうまく白いご飯に交わり、すこし柔らかくなってきます。
もちろん白米だけでも問題なく食べられる炊き上がり具合です。

S&Bのレトルト親子丼は賞味期限1年と短めですが、具も鶏肉・卵・玉ねぎとも十分で、味も多少濃い目ですが美味しいです。
これならローリングストックで無理なく消費できる備蓄品として合格点ですね。

親子丼完成

炊飯方法の課題(生米と水の比率)

日本赤十字社の炊飯方法は、同じ重さ(生米150g:お水150g)で炊飯するものでした。

一方、料理研究家の土井先生の炊飯方法は、体積を同じにして(生米150g、お水180cc)炊飯するので、水分が多めな分お米が柔らかくなります。

今回は赤十字の炊飯方法に準じてやってみましたが、確かにその分量ではややお米はかために感じられましたので、次回は生米150gにお水180ccで炊飯してみようと思います。

高密度ポリエチレン袋(ポリ袋)でレトルト食品を温める方法

ちょうどタイミングよくローリングストックで消費する備蓄品のレトルトご飯とカレーがあったので、試しに市販の高密度ポリエチレン袋(アイラップ)をつかって、食品を温めてランチとして実食することにしました。

被災時を想定して、カセットガスコンロを使います。

まず、レトルトご飯はパックからポリ袋(食品用の高密度ポリエチレン袋)にだして、輪ゴムで縛ります。
1袋に1パックずつ平たくいれます。

レトルトご飯はパックを重ねて温めることはできないのですが、ポリ袋だと鍋の中でかさばりません。

そして、今回は「圧力鍋」を使います。
以前レトルトをパックのまま鍋にいれてカセットガスコンロで温めた時に時間がかかったこともあり、圧力鍋を使うことで時短調理をします。

レトルトパックは株式会社ウーケのレトルトご飯「北海道のお米ゆめぴりか」普通盛り200gタイプ。
ふだん食べ慣れているお米のレトルトパックを備蓄品として備えています。

カレーはS&Bの「ホテル・シェフ仕様の特製ビーフカレー」辛口タイプで1食あたり170g/159kcal。
こちらも何度か試食して気に入ったS&Bのレトルトです。

レトルト食品を湯煎する

まずレトルトご飯をポリ袋に移します。1袋あたり1食分です。
なるべくご飯を平らにしていれて、中の空気を抜いて輪ゴムで縛ります。

アイラップにご飯

圧力鍋の底に耐熱皿やシリコン製の落とし蓋などを1枚敷き、ポリ袋が直接鍋底につかないようにします。
※耐熱性があるといっても、熱くなった鍋肌に触れてしまうと溶けてやぶれてしまう可能性があるので使う際は要注意。

写真ではレトルトカレーのパウチの下が皿です。

圧力鍋で炊飯

今回は水から沸騰させています。

メーカーの記載によるとガスボンベ1本あたり、中火で約1時間使用できますが、家族構成によっては温める食品の量も比例するので、使用するガスボンベの消費量を確認しておくといいかもしれません。

圧力鍋で炊飯2

通常、レトルトご飯は電子レンジで2分(500W/600W)の加熱で温まりますが、普通の鍋で湯煎する場合は30分かかります。
湯煎する場合は、たっぷりお湯のはいった鍋でフィルムをはがさず、そのまま沸騰したお湯の中でフィルム面を上にして、鍋に蓋をしないで30分程加熱します。

一方、圧力鍋を使うことで調理時間を短縮でき、結果ガスも節約することができるのです。
またポリ袋を使うことでかさばるレトルトパックではなく、複数調理することができます。

まず、水から加熱すること約10分で沸騰、その後火をとめて約5分間、圧力鍋に蓋をして蒸らします。
結果、通常の約半分の時間(合計15分)でレトルトご飯を温めることができました。
※カレーは5分程度でOKですが、そのまま一緒に同時間湯煎しました。

圧力鍋で蒸す2

15分後、温めおわって出来上がったレトルトご飯。

輪ゴムの少し下をハサミ等できって、ポリ袋を皿に広げかぶせます。
そうすることで、食べ終わったらポリ袋だけ捨てればよく、お皿を洗う必要もありません。

ウーケのご飯は冷たいまま食べれなくはなかったですが、温めることでよりふっくら美味しいご飯になります。
見た目もなかなかでしょ?

唯一の難点はご飯がポリ袋にくっつくことでしょうか。

同時に温めておいたカレーをかけて、いただきます。
なかなかいけますね!

高密度ポリエチレン袋(ポリ袋)でつくる非常食まとめ

いわゆる防災ブック等、文章で読んで理解していたとしても、いざ実際に被災してから実践するのもなかなか難しいものです。

普段からローリングストック法で災害備蓄品をうまく消費させつつ、このような調理法を実践さながらに試しておくことは大切です。
また、災害備蓄品によっては塩分が多いものもあるので、食べてみると好みにあわないこともよくあることなので、事前にいくつか試して、好みの味付けのレトルト食品を備えておくと安心です。

今回、レトルトご飯とレトルトカレーを温めるだけでしたが、通常のレトルトパックのままだと複数同時で煮ることは難しく、時間がかかり効率が悪いことがわかりました。

効率をあげるために食品用高密度ポリエチレン袋や圧力鍋をつかったり、沸騰させた後に蓋をつかって蒸らすことでガスボンベを節約しながらも、温める術を体感しました。

ポリ袋調理法はアウトドアや災害時にも使える調理法でぜひ普段から活用して慣れ親しんでおきたいですね。
家族構成にあわせて、実際に被災したことを想定して一度非常食を調理して食べてみる機会をもつことをオススメします。

テキストのコピーはできません。