今年の確定申告は2015年2月16日(月曜日)から始まります。期限は3月16日(月曜日)までとなっていますが、準備する資料なども多い場合は早めに着手したほうがよさそうです。
今回は確定申告に備えて、医療費控除についてのチェックポイントを備忘録としてまとめてみました。
医療費控除とは
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に、本人あるいは生計を一(いつ)にする家族のために医療費を支払った場合に一定金額の所得控除を受けることをいいます。
その年の課税対象となる所得金額が医療費控除の分だけ少なくなるため、税額がそれだけ減少します。給与所得者は通常、所得税の確定申告の必要はありませんが、その年にかかった医療費が10万円(その年の所得金額が200万円以下の場合には所得金額の5%相当額)以上である場合は、確定申告をすることで所得税が還付されます。
医療費控除は年末調整では控除できません。
また所得税だけでなく翌年に課税される住民税も医療費控除の金額の10%相当額分、安くなります。但し控除できる医療費の額は200万円が上限となっています。
医療費控除の対象は
本人が支払った医療費のほか、家計を共にする配偶者やその他の親族が支払った医療費も合算することができます。また、共働き夫婦の場合、妻が扶養家族ではなくても、妻と夫の医療費を合算することができます。
以下、対象となる条件です。
①1年間に使った医療費が10万円以上あること
自分と家計が同じ配偶者やその他の親族が支払った医療費も合算し、1年間に支払った医療費の合計が10万円以上(所得が200万円未満の場合には1年間の所得の5%を超えていること)であること。
※医療保険等で補てんされた場合には、その金額を除いた金額が対象です。
②所得税の納税があること
医療費控除は、支払った所得税の額を上限として所得税が還付される制度です。そのため、年末調整等により納める所得税ない場合には還付金として戻ってきません。また支払った所得税の額が還付の上限になります。
③本人または家族(家計が同じ配偶者やその他の親族)の医療費であること
共働きの夫婦の場合、扶養家族ではなくても妻と夫の医療費を合算することができます。 仮に確定申告を忘れてしまった場合でも、「過去5年以内」であればさかのぼって還付を受けることができます。
医療費控除額の計算(所得税、住民税)
1年間に支払った医療費の合計が10万円以上(所得が200万円未満の場合は、医療費の合計が1年間の所得の5%を超えていること)の場合、確定申告で医療費控除の申請手続きをすれば、所得税の還付と翌年度の住民税減額を受けることができます。
保険金などで補填される金額は差し引きする必要があります。
医療費控除金額は以下の計算式による算出します。
この計算の結果、マイナスになった場合は医療費控除の対象にはなりません。
また医療費控除の対象となる金額は最高200万円までとなります。
・所得税率について
医療費控除を算出するにあたって使用する所得税率は、控除を受けようとする本人の所得金額によって異なります。
<所得税率一覧>
例えば所得が1,800万円以上の方は所得税率が40%、所得が900~1,800万円以下の場合は33%、695万円~900万円以下の場合は23%と、基本的に所得が多く税金を多く支払っている方がより多くの控除を受けることができます。
医療費控除の申告に必要なもの
・源泉徴収票の原本(コピー不可)
・医療費の領収書(コピー不可)
・医療費控除の対象となる費用の領収書
・医療費を補填する保険金等の給付金額がわかる書類
・医療費控除の内訳書
・還付金の振込に使う本人名義の銀行等の口座番号
・印鑑(認印で可)
・所得税の確定申告用紙
尚、電子申告(e-tax)の場合、医療費の領収書や源泉徴収票などの提出を省略できます。注意点としては、確定申告期限から3年間は該当する書類を保存する必要があります。税務署から提出また提示を求められることがありますので保管しておきます。
医療費控除の申告方法
自宅で確定申告書を作成・印刷して持参する場合には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」より、「申告書の作成開始」をクリックして、「電子申告(e-Tax)により提出」か、「申告書等を印刷して提出」のどちらか該当する方を選択して手続きに進みます、
仮に医療費控除について確定申告を忘れていた場合は、「過去5年以内」であればさかのぼって還付が受けることができます。
その他、注意点
雑所得がある場合、経費をひいて20万円以下であっても医療費控除がある場合(住宅ローン控除の場合も同様)は同時確定申告する必要があります。