ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、都道府県や市区町村(以下自治体)に寄附をすると年間の総寄附額から2千円差し引いた額だけ減税される制度のこと。
ふるさと納税とは東日本大震災以降、地方の復興を援助する手段の1つ(復興支援のための寄付としては義援金、支援金、ふるさと納税の3種類ある)として注目され、最近ではそのお礼の品が豪華すぎるということで話題になりがちですが、制度そのものは2008年4月から個人住民税の寄付金税制が大幅に拡充される形で導入され、6年目にはいっています。
また、これまでは確定申告の手間などもありましたが、来年度以降は制度が改正される議論がされており、これまで煩わしかった確定申告も不要となり、住民税の控除に1本化、税金が減額される寄付の上限も2倍にすることを検討中とのことで、より広く利用しやすい制度になる可能性があります。
サラリーマンは節税(特に翌年度の住民税が毎月控除分だけ減額されるメリットあり)対策にも有効で、応援したい地方や故郷へ還元できるので、確定申告の手間はあるものの使わない手はない節税の方法でもあると思います。
参考サイト:
政府インターネットテレビ 「あなたの想う自治体を応援する ふるさと納税」
気になる控除対象者は?
・個人住民税を納税されている方
控除対象となる地方公共団体の範囲は?
・すべての都道府県、市区町村が対象
・寄付先は出身地や過去の居住地等に関係なく、自由に選択することができる
「お世話になった場所」や「これから応援したい場所」など、各個人が思う「ふるさと」を自由に選択することができるところが大きなポイントです。
ふるさと納税で控除される金額の目安は?
ふるさと納税で控除される金額の概算は以下のサイトで簡単に試算できます。
まずは自分の控除される上限を把握する必要があります。
※寄付額一覧からわかるように、結果的に”高収入・独身・DINKS(夫婦のみ)”の方が控除額が多くなります。
ただし、確定申告をする必要があるため、医療費控除や雑損控除、住宅ローン控除の適用を受ける場合には注意が必要です。
実際の所得税の軽減分については、寄附をした年分の所得税から控除され、住民税の軽減分については、寄附をした年の翌年に課税される住民税から控除されます。
<参考サイト一覧>
◆2,000円を除く全額が控除できる寄附金額の一覧(目安) 寄附額一覧 (総務省)
◆寄附金控除額の計算(シミュレーション) 控除額計算シミュレーション (総務省;EXCEL)
◆ふるさと納税額シュミレーション (山口県;EXCEL)
◆計算シュミレーター (山口県;WEB入力)
◆ふるさと納税(寄付金)限度額計算ソフト (最速資産運用サイト;WEB入力)
↓ 各自治体のページはこのような控除金額の目安がわかるシュミレーションが用意されています。
以下、具体的な試算イメージです。
年収700万円で夫婦+子ども2人いるケースで3万円寄付した場合、2,000円の寄付金負担で28,000円が控除対象となります。年収800万円で同じ条件であれば4万円少し。900万円では6万円少し控除が受けられることになります。
ふるさとへの納税フロー
来年度からは控除が住民税に一本化され、確定申告が不要となるかもしれませんが、以下確定申告で控除を受けるまでのフローとなります。
<STEP1> 自分が寄付したい自治体を選ぶ!
まず、自分が寄付をしたい自治体を選びます。
<STEP2> 寄付金を送る
寄付したい自治体が決まったら、実際に寄付金を送ります。寄付の方法は自治体によって異なります(直接窓口に持っていく、銀行振込、クレジットカード決済等)。
<STEP3> 寄付特典を受取る(特典がある場合)
寄付が完了すると、選択した特典(お礼)が送られてきます。
<STEP4> 寄付受領書を受け取る
「ふるさと納税」をすると、自治体から「寄付受領書」が届きます。
納税したことの証明書となり、控除を受けるための確定申告で利用しますので、大切に保管してください。
<STEP5> 確定申告をする
「ふるさと納税」の納税金額の控除を受け取るために確定申告をします。
所得税と住民税が控除されます。
ふるさと納税の寄付特典とは?
最近では民間企業が各自治体のふるさと納税に対するお礼品を検索するサイトが立ち上がっています。
地域や寄付金額など条件指定するだけで、お礼品としての特産品などを一覧化できるので便利です。
特に人気なのが、国産和牛や蟹、スイカやメロン、ブランド米といった食材です。
食材には季節や収獲量が限られているものもあるので人気のお礼品は在庫切れになることも多いようです。
2,000円の寄付金負担で様々な地域の特産物を食べることができるのはかなり魅力的ですよね・・・
◆ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」
しかしながら課題もあり
納税者にとって一見、良いことづくめ?とも思える「ふるさと納税」ですが、懸念点があるのも事実です。
例えば、住んでいる地域の税収が減るのではないか?ということ。 特に税収減の恐れがある都市部では、国が交付する地方交付税で配慮するとのことで影響は軽微にとどまる見込みだといわれていますが、批判的な意見も少なくなくありません。 また実際にふるさと納税のPRに使った金額よりも税収が下回る自治体もあるようです。
そして、豪華すぎる寄付特典。
還元率が50%を超えるような地元特産品がお礼として贈られるケースもあり、過熱化するのことを懸念しています。
地元応援というよりは寄付特典ばかりが注目されがちですが、そもそも本来の目的は違うはず。
ただこれも自治体によっては、税収相当分をまるまるお礼品として使っても、自治体の知名度アップや地元特産品をつくる地元企業の活性化・PRにもつながるメリットがあると考えているのではないでしょうか。
また一方で、奈良県御杖村のふるさと納税の返礼米のような問題がおこっています。
御杖村は5,000円の寄付金で米10kg相当、1万円で20kg相当と他の地方公共団体と比べてもかなりよい還元率のお礼を納税者へ贈ることで人気です(2014年8月現在)。
しかしながら、今年発覚した問題として、ふるさと納税に絡み、一部の議員が返礼米の納入を独占していたり、未検査米を混ぜて返礼米としてふるさと納税者へ送りつけていたケースもあったようで、今後は厳正なる制度運用のための改善をお願いしたいところです。
このような問題は表面化していないだけで、特産物の豪華さを競うあまり、一部で不正が行われる可能性がまだあるかもしれません。
納税者としては少しさびしいですが、その意味でも寄付特典として贈る特産品の競争が加熱しすぎるにも懸念しています。
とはいえども、節税もできて特産物も選べるふるさと納税は利用しない手はない
このように懸念されるポイントはいくつかありますが、サラリーマンにとっては(今年は)確定申告さえすれば、所得税だけではなく翌年度には住民税も控除されるので、節税対策として上手に利用しつつ、応援する地方公共団体の寄付特典としての特産品を楽しみことは活用しない手はないと思います。
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