1週間前から洗面所のシングルレバー混合栓の蛇口よりポタポタと水漏れが。
レバーの方向によっては完全に止水できるのですが、ある方向だと水が流れてしまいます。
ここのところ洗濯機不調→買い替え、FAX付き電話機不調→買い替えと続き、さすがに10年以上経過してくると、いろいろガタがでてくるものです。
早速この型番(TLF31UX)を元にメーカーのTOTOカスタマーセンターに不具合状況を伝えると、おそらくバルブと呼ばれるカートリッジの交換が必要とのこと。
※問い合わせの前にまずは型番をチェックします。
水栓の右側根元のほうシールが貼付されています。
シングルレバー混合栓はレバーハンドルと連動したバルブによって、湯水の通水路の開閉を加減して吐水量や湯温を調節するしくみになっています。
そのバルブが劣化することで水漏れが発生する可能性がでてくるわけです。
ただ実際にはみてみないことには正確には判定できないとのことで、だいたいの見積を聞いてみました。
仮にカートリッジ交換だけでなおるとして、
部品代:6,400円(税抜)相当で、部品代・出張費・技術料(工賃)込みで15,000-25,000程度とのこと。
ちなみにTOTOパーツセンターから部品だけの取り寄せだと、6,400+税金+送料540円なり。
うーん、意外とかかる。
ネットで部品調達してDIY
以前お風呂場のシャワーやキッチンの水栓金具も自分で交換できたので、これも簡単にできるはず!
ということでネットで検索すると、どうやらこの部品は「工事店さま用」との記載はあるけれど、そこは今ではネットでなんでも買える時代。
Amazonや楽天の水栓金具を扱うショップでTOTOメーカー直販よりも3-4割引で購入することができます。
注意書きには専門業者ではないとだめというような記載もあるものの、だれでも簡単に交換できるという口コミが多数あり、迷いなく部品だけ注文しました。
今回注文した部品はこちら、TOTO シングルレバー用カートリッジ THY582N です。
症状的にはカートリッジに含まれるゴムパッキンとスプリングだけ注文して交換すれば直る可能性もありますが(この場合は1,000円程度とさらに安くすむ)、カートリッジ側の経年劣化の可能性も多分にあるので、はじめから消耗品としてフル交換が後々よいと思います。
ご覧の通り蛇口の中にあるカートリッジ押さえの形状(4種類)により特殊な工具が必要ですが、これは事前に蛇口にある型番をもとに必要なパーツの型番をTOTOサイトでも検索して必要な説明書や説明図等をPDF形式でダウンロードすることができます。
もちろんTOTOへ電話で問い合わせて、資料をFAXで送ってもらうことも可能です。
こちら→TOTO建築専門家のための情報サイト「コメット」
今回のシングルレーバ混合栓は:TLF31UX
一般的にカートリッジ押さえのタイプは
・「ストッパータイプ」
・「ストッパータイプ・止めばね付き」
・「六角タイプ」
・「ボックスタイプ」
の4種類あり、わが家のタイプは水栓の型番から、「ストッパータイプ・止めばね付き」 と判明。
こちらであれば特に特殊な別売り工具も必要ありません。
もちろんその他のタイプでも必要な専用工具はAmazonなどで安く購入できるようですので、トータルで考えても自分で交換してしまったほうが安くつきます。
バルブのカートリッジを交換してみる
用意するものは、マイナスドライバー、竹串、あとラジオペンチがあれば便利。
1.止水栓を閉める
作業時にみずが溢れないように、洗面所したにある止水栓を忘れずに締めます。
基本、時計回りにまわして閉めます。
2.混合栓を分解する
レバー部分は蓋になっていて少し力をいれて上に引き抜く形で簡単に外すことができます。
↓レバーハンドルを取り外した状態。まずは止めバネ、スペーサー、ストッパーから取り外す。
そうしないとカートリッジ押さえがぴくとも動きませんので注意。
↓分解途中段階。取り外したパートはこの際きれにクリーニングしておくとよいでしょう。
3.古いカートリッジを取り外す
まず止めバネ→スペーサー→ストッパーの順で取り外します。
マイナスドライバーを使うと作業がしやすいです。
その後、カートリッジ押さえを左にまわし緩めてはずします。
最後に古いカートリッジを引き抜きます。
マイナスドライバーを差し込むとはずしやすいです。
中に劣化したフレアパッキンとバネがはまっているので、ラジオペンチなどを使って引き抜いてはずす。
注意:混合栓の中にある残留物(カートリッジの折れた部品など)も沈んでいる場合があるので、よくみてきれに取り除きましょう。
↓とりはずしたバルブのカートリッジ。かなり変色して、一部パーツは欠損しているのがわかります。
欠損したパーツは残らないように取り除くことを忘れずに。
↓フレアパッキンとバネもご覧の通り、劣化しています。パッキンは手でさわるとボロボロと崩れるほど。
4.カートリッジ交換する
最初に取り付ける新しいバネとフレアパッキンは竹串をつかって穴にはめこみ、指で強く押し込むと良い。その後、新しいカートリッジをはめこむ(前後注意)。
↓ドライバーが細い場合はそれでもOKですが、竹串があると便利です。
↓フレアパッキンとバネの方向に注意しながら、竹串などでうまく穴に誘導し、最後は指のはらできっちり押し込みます。
5.組立して元通りにする
取り外した順番と逆に取り付けていく。
ストッパーとカートリッジ押さえの溝は抑え側を少しだけゆるめておき、ストッパーをはめこむとぴったり合わせやすい。
最後に最初に閉めた止水栓を開放しておくことも忘れずに。
交換直後は汚れた水がでるので、しばらく水道水をだしておき、きれいになったらOKです。
↓完全リニューアルしたカートリッジ。
10数年経過すると、やはりパッキンとバネだけよりもフル交換をおすすめします。
実際交換してみての感想
意外と簡単。ゆっくり慎重にやっても30分もかからないでしょう。
特に専門的な知識はいりません。
またYoutubeにも交換作業の動画もたくさんアップされているので参考になります。
それほど複雑ではないですが事前に予習しておけるので、初心者には安心ですね。
部品も5,000円以下で調達できて自分で取り付け交換すれば、業者を呼ぶより1/3~1/5以下のコストでできます。
ところで、「上吐水」ってご存知ですか?
パッケージに「上吐水」との記載があったので気になって意味を調べてみました。
水道の蛇口で水を出すときにレバーを上の方向に持上げるものは「上吐水」というそうです。
「あげとすい」と読みます。
この規格はごくごく最近デファクトになっている規格で、それ以前のものはレバーを押し下げて水を出す方式(下吐水)が一般的でした。
それが阪神・淡路大震災のあと、地震でモノが落ちたりして上からの衝撃が加わった時に水が出ない蛇口に改良されました。
ちなみに、TOTOの下げ吐水用の水栓部品ですが、15年3月に供給終了となっています。