不要になった使用済み充電式電池やモバイルバッテリーをどのように処分すればよいのでしょうか?
今回、ルンバやマキタの充電式電池やAnkerのモバイルバッテリーを処分するにあたり、リサクル・廃棄方法を調べてまとめてみました。
処分方法には大きくわけて、無償と有償の2通りあります。
ご自宅ある不要な使用済みの充電池やモバイルバッテリーを、ルールを守ってリサイクル。
すっきり片づけましょう!
使用済み充電池の廃棄・リサイクル方法
無償でリサイクルできるかのチェックポイント
- JBRC(リサイクル団体)に加入しているメーカーの製品か?
廃棄したい小型充電式電池やモバイルバッテリーのメーカーが、JBRC会員であれば無償で廃棄(リサイクル)できます。
JBRCとは「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、会員となるメーカーの小型式充電式電池のリサイクル活動を共同でおこなうために設立された団体です。
参考 JBRC(Japan Portable Rechargeable Recycling Center)
つまりこのJBRCのメンバーになっていれば、リサイクル回収を無償でおこなってもらえます。
リサイクル回収対象の見分け方
- 3つの矢印「リサイクルマーク」の確認
まず廃棄したい小型充電式電池に、リサイクルマークの記載があるかどうか確認します。
リサイクルマークとは図の通り、回収・リサイクルが可能であることを示す記号(スリーアローマーク)と電池の種類を示す英文字で構成されています。
出典:ビックカメラ公式
法律の施行が2001年4月のため、それ以前のものはリサイクルマークがついていません。
マークがついていない場合でも、ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池は回収対象となります。
- リサイクル回収対象外の電池
JBRC未加入メーカーの小型充電式電池は、回収対象外です。
また乾電池、リチウム電池(カーバッテリー)、ボタン電池(コイン型・ボタン型)は、JBRCメンバーの製品であっても回収対象外となります。
リサイクル回収方法
- JBRCメンバーの回収対象電池
JBRCメンバーの回収対象電池であれば、各地域にある「排出協力店」にある黄色の「リサイクル回収BOX」にいれることで完了です。
出典:パナソニック公式
リサイクル回収BOXは、電球やインクカートリッジの回収BOXと違って、対象外のバッテリーをいれられないように、店舗のレジスペースに設置されているケースがほとんどです。
私の場合、ケーズデンキで回収していただきましたが、レジでひとつひとつ対象メーカーであるのか目視確認をした上で回収となりました。
- JBRC未加入メーカーの廃棄方法
メーカーに問合せの上、メーカーにて引き取り不可能な場合は、購入者自身が各都道府県から認可を受けた産業廃棄物処理業者に処分を依頼するしか方法がありません。
主なメーカーの充電池の処分方法
基本的に国内の大手メーカーであれば、JBRCメンバーになっているので、リサイクル回収ボックスでの廃棄が可能です。
メンバーであるかは下記リンクから確認することができます。
参考 JBRCメンバー一覧
ここでは、今回私が処分をした小型充電式電池やモバイルバッテリーについて記載しています。
iRobot(ルンバ・ブラーバ)の充電式電池の処分方法
iRoboの販売する「ルンバ」や「ブラーバ」といった家庭用の自動掃除ロボットには充電式のバッテリーが搭載されています。
iRobotはJBRCメンバーですので、リサイクルボックスでの回収となります。
今回廃棄したいバッテリーが搭載されていたルンバは、まだ米国アイロボット社が日本支社をつくる前、セールスオンデマンド社が販売代理店だったころの古いモデル(2009年製)です。
バッテリー表記をみるとリサイクルマークがついてはいますが、JBRCのものではありません。
しかしながら、現在はアイロボット社に日本国内での販売事業が譲渡されており、JBRCメンバーなので古いルンバのバッテリーも同様に処分することができます。
廃棄にあたっては、安全のためバッテリーの絶縁処置をしてからリサイクルボックスへ持参します。
参考 ルンバの絶縁処理
マキタの充電式電池の処分方法
工具で有名なマキタもJBRCメンバーなので、リサイクル回収ボックス対象です。
わが家で大活躍中のマキタのコードレス掃除機(CL102DW)の純正バッテリーも表記を確認してみると、JBRC指定のリサイクルマークが記載されているのがわかります。
充電池(エネループ等のニッケル水素電池)の処分方法
繰り返して充電して使えるエネループなどの充電池も回収対象です。
リサイクルすれば、「ニッケル」「コバルト」などを貴重な資源として再生することができます。
ショート事故防止のため、セロハンテープやビニールテープなどで+-両電極を絶縁した上で、リサイクル回収BOXへ入れましょう。
出典:パナソニック公式
Anker モバイルバッテリーの処分方法
モバイルバッテリーの大手、AnkerはJBRCの会員なので、モバイルバッテリーは店舗での回収が可能です。
また独自の回収プランも用意されています。
問い合わせフォームより申し込むと、専用の回収キット(レターパック)が送られてくるので、廃棄するAnker製のバッテリーをいれて送付するだけです。
回収キットを取り寄せしないで、自分で梱包して着払いも可能とのこと。
回収キットやリサイクル・配送料は無料です。
店舗に出向かう必要がないので、面倒な方はこちらを利用するとよいでしょう。
Amazon Basic ブランドの処分方法
Amazonで販売されている「Amazon Basic」ブランドの小型充電式電池(ニッケル水素電池)もリサイクル可能です。
ただし、AmazonはJBRCメンバーではなく、Amazon独自の回収プログラムを用意しています。
対象の場合は商品詳細ページに「この商品はAmazon.co.jpがリサイクルを行う対象商品です。」と記載されています。
また対象商品には、Amazonベーシックブランドのロゴマークと、裏面にリサイクルのマークが印刷されていますので、確認しましょう。
ブランドロゴマーク | リサイクルマーク |
必要な配送料とリサイクル料金はすべて Amazon.co.jp が負担します。
❶ AmazonBasicsロゴとリサイクルマークが電池上にあるか確認
❷ 梱包、送付方法については、カスタマーサービスまで連絡(電話も可能)
❸ 指示に従い、必要に応じて絶縁処理をした上で梱包して、Amazonへ着払いで送付。
なお、商品送付料はAmazonへの着払いで可能です。配送料を負担してしまった場合は、あとから返金されないので注意しましょう。
ボタン電池の処分方法(番外編)
小型充電式電池ではありませんが、ボタン電池も種類によって廃棄方法が異なります。
コイン型リチウム乾電池(表記にCR系、BR系がある電池)と違って、ボタン電池(表記にLR系、SR系、PR系がある電池)は自治体回収はしていませんので注意しましょう。
こちらは電池工業会(一社)の「ボタン回収缶」が回収協力店に設置されているので、セロテープなどで絶縁処置をおこなった上で、ボタン回収缶にいれて廃棄します。
ボタン形電池回収BOXと小型充電式電池のリサイクル回収BOXは、同じ場所に設置されているケースが多いです。
出典:パナソニック公式
互換バッテリー・中華系モバイルバッテリーの処分方法
最近ネット通販を中心にでまわっているのが、中華系の安価な互換バッテリーやモバイルバッテリーです。
私もそのコスパのよさから愛用しており、いまではノートパソコンからマキタのコードレス掃除機、ルンバまで大容量の互換バッテリーを使っています。
ただそのリサイクル方法に課題があります。
その多くのメーカーはJBRCメンバーではないため、正規のルートでは回収不能です。
また処分方法についても、Amazonや楽天をはじめとするECサイトで販売されている中華系メーカーのほとんどはリサイクルに関する表記が一切ありません。
それどころか問い合わせすら不明なメーカーも多いです。
また問い合わせ先があっても、いざ問合せてみても、基本的に「お住まいの自治体のルールに従って処分してください」とのスタンスというところが多いのが現状です。
またほとんどの自治体ではこのような互換バッテリーは回収対象にはなっていませんので、結果的に廃棄できないループに陥ってしまいます。
このような場合は残念ながら、バッテリーを処分する場合は、購入者自ら、各都道府県から認可を受けている産業廃棄物処理業者に処分(多くは有償)を依頼するしか方法がありません。
ロワ・ジャパンの互換バッテリー処分方法
私もいくつか所有している互換バッテリーの大手、ロワ・ジャパンはJBRCメンバーではありませんが、購入者に限って回収をメーカーに依頼することが可能です。
販売サイトには一切表記がなかったので、実際に問合せたところ、初回は「お住まいの自治体のルールに従って処分してください」との基本スタンスで返信があります。
その後、居住する自治体では処分できない旨を連絡すると、購入履歴の確認の後、互換バッテリーを送付すれば処分してくれるとの案内ありました。
ただし、送料は自己負担になります。
まとめ:充電池はリサイクルコストを含めトータルで考えるべき
以上、家庭にある小型充電式電池とモバイルバッテリーなどのリサイクル・廃棄方法についてまとめてみました。
- JBRCメンバーの製品であれば、排出協力店にある「リサイクル回収BOX」にいれることでリサイクル可能
- JBRC未加入メーカー、特に安価な中華系モバイルバッテリーや互換バッテリーは注意が必要
- 自治体で回収されない場合、産業廃棄物処理業者に処分(有償)を依頼するしか方法がなく、余計な廃棄コストと手間がかかる
充電式バッテリーやモバイルバッテリーは、目先の安さだけで判断せず、廃棄処理のことも含めてトータルで考えるべきです。
JBRC未加入のメーカーの製品については購入を控えたほうが無難です。
やや割高であっても、リサイクルコストものった価格設定であることを考慮すれば、環境への配慮や安心安全の観点でも、メーカー純正のバッテリーを購入したほうがよいといえるでしょう。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。