初夏になると、まず想い出すのはキンキンに冷えた「ひやしあめ」。
関西ではこの時期になると、街中の茶店や自販機でも販売されている、水飴のほどよい甘さに爽やかな生姜がきいた庶民の夏の飲み物です。
起源は江戸時代にさかのぼり、当時は「あめ湯」といってお湯で溶いた水飴に生姜の搾り汁を加えたものでした。
それが明治時代以降、製氷技術の進化とともに冷やしてのむ飲み物として、今の「ひやしあめ」になったそうです。
学生の頃は昼休みのチャイムとともに売店に駆け込み、紙パックの冷やし飴を2つ、3つ買うほど、3度の飯よりも大好きな飲み物でした。
今でも関西圏では冷やし飴の素や缶ジュースとしても各種メーカーから販売されていますが、 やはりここは懐かしの冷やし飴、自分で一度はつくってみたいもの。
ということで、早速、味の決め手となる麦芽水飴と三温糖を購入してつくってみることにしました。
関西夏の風物詩「ひやしあめ(冷やし飴)」の作り方
甘さのベースとなる「麦芽水飴」は、砂糖などと比べてまろやかな甘味があり、低カロリーで血糖値が緩やかに上昇するため、糖分を控えたい人のもオススメ。
疲労回復や病後の栄養補助食品としても昔から重宝されてきました。
ただ麦芽水飴だけでつくると甘さをおさえたマイルドな感じになるので、少し甘さを加えるため「三温糖」を気持ち多めにつかっています。
甘さを抑えたい方は三温糖を控えめにして、麦芽水飴の分量を増やすなど、お好みの甘さに調整してみてください。
また麦芽水飴はいちからつくることもできますが、今回は市販されている永田製飴さんの麦芽水飴(北海道産ジャガイモでん粉に麦芽を加えて糖化させた水飴)をつかっています。
ひやしあめは非常に簡単なレシピなので、昔は各家庭でつくられることも多く、それぞれのご家庭の味がありました。
京都では米飴や三温糖を使うことが多いようですが、今後糖分の配合率は試行錯誤の上、自分だけのお気に入りの風味にしていこうと思います。
【材料】※400ml(5~10杯分)
・生姜 100g(80g程度皮なし)
・麦芽水飴 50g
・三温糖 200g(きび砂糖、上白糖などでもOK)
・水 300ml
【作り方】
1.生姜はきれいに洗って皮をむいてから、おろし金でおろす(量が多い場合は、フードプロセッサーでもOK)。
2.さらし(ガーゼ)に1のおろした生姜をつつみ、ボウルに絞り、生姜の搾り汁と繊維に分ける。
3.鍋に分量分の水、2の生姜の繊維、三温糖を入れて火にかける(中火の強火)。沸騰したら弱火にして5分ほど灰汁をとりながら煮つめる。
4.ボウルにさらし(ガーゼ)などをしいて、3の煮汁をこす。
5.鍋に、4のこした煮汁と2の生姜の搾り汁、分量分の麦芽水飴を加えて、中火にかける。火がひと煮立ちして、沸騰の泡が小さくなったら火を止める。
6.鍋を氷水で浸す(5を別の容器にいれてから冷やしてもよい)。
7.容器にいれて冷蔵庫へ。約1週間保存できます。
オススメ商品 ユニチャームの「クックアップ」クッキングペーパー
煮汁をこすために使ったのは、ユニチャームの「クックアップ」という丈夫なクッキングペーパーです。
3層構造で濡らして絞っても破れません。
それでいて、しっかりこすことができるのでオススメです。
さらしやガーゼと違って、そのまま使い捨てできるので便利ですよ。
「ひやしあめ(冷やし飴)」の飲み方
基本的な「ひやしあめ(冷やし飴)」の飲み方
グラスに氷多め、原液:水=1:3で割っていただく。
氷をいれることを前提にしているので濃いめがオススメです。
夏場の滋養飲料として、夏バテ気味で食欲がない、胃腸が弱っているときに「ひやしあめ」を一杯のんで元気になりましょう!
「ひやしあめ(冷やし飴)」の楽しみ方
そのまま水で割って、氷を浮かべてシンプルにいただく飲み方以外にも、ひやしあめには様々な楽しみ方があります。
1.氷をいれたグラスに炭酸水で割る
2.ウィスキーで割って氷を浮かべた 「あめスキー」
3.焼酎で割る
4.紅茶で割っていただく
5.シロップ代わりにかき氷にかけていただく
6.黒蜜代わりにところてん、葛切りにかける
7.レモン果汁をプラスして「冷やし飴レモン」
ひやしあめの素をつくるのは面倒な方は、市販の原液を使えば簡単にひやしあめをつくることができます。
器のかわいい、そのまますぐに飲めるひやしあめもオススメです。
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