『あなたのお金を「見える化」しなさい! ~ビジネスパーソンのための新お金管理術~』(竹川美奈子著)
「投資信託にだまされるな」で有名なファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんの著書です。
タイトルがビジネスパーソンのための・・・とうたっていますが、会社勤めをするサラリーマン家庭のためのお金管理ガイドです。
一家の大黒柱が退職した時、病気になった時、死亡した時など、それぞれの時点の資産状況や家計を予測することで足りないお金を認識して準備するヒントとなります。
まずはP/LとB/Sをつくるところから始めよう!
「自分のお金のことは自分しかわからない。だからこそ、リスク管理や資産形成を行う上でも損益計算書や貸借対照表バランスシートをつくってみる。公的な保障や勤務先の保障について調べてみる。その上で対策を考えよう。ということです。」(竹川さん)
具体的には、現時点の損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を作成するところからはじまります。その上で、まず公的保証(Public)から調べ、そして企業内保障(Company)、最後に自分で準備すべきお金(Self)の順番でご自身のケースでの保障を調べていきます。作者はこれをPCS(Public→Company→Self)とよんでいます。
意外と企業内保障や公的保障を把握していない方も多いかもしれませんので、この手の本をきっかけに調べて、将来的な備えとして不足があるのかないのか?、ご自身のP/LとB/Sを作成し、今後は定期的(1年に1度程度)にチェックしていくことをおすすめします。
公的保障はねんきん定期便やサイトがありますのでみればある程度は理解している方もいるでしょう。 一方で企業内保障というと把握されていない方も多いのでは?・・・と想像します。
特にサラリーマンの場合は、死亡時や病気になった時など、企業内保障が充実していることが多いので、無駄な保険にはいらないためにも、まずここをイントラネット等で会社の規約などから保障内容を調べることが大切です。
その上で、それぞれのケース(死亡時、病気時、退職時)でP/L,B/Sを作成して、ご自身の家計と資産状況がどのように変化するのかを視覚的に事前に把握します。
そうすることで万が一の時に、社会保障や企業内保障で足りるのか?または対処するための準備(例えば保険や貯蓄などはいくら必要か)をすることができるのです。
また住宅や車を所有することで、毎月の家計やB/Sにどう影響するのか、具体的な金額を算出することによって、購入前の検討段階で見直すよい機会になるかもしれません。
ネットなどではこの手の情報はばらばらと探せばでてきますが、サラリーマンの家庭視点で1冊で体系的に説明しているので、ぜひご一読をおすすめします。
私の場合はもったいないので、図書館で予約して読みましたが・・・
お金の見える化書き込みシートを活用しよう!
この本で一番良かったのは、巻末の特別付録、あなたのお金「見える化」書き込みシートです。このワーキングシートははこの本を読みながら順番に記入していくことで、最終的にご自身のP/LとB/Sを作成することができ、その名の通り、「みえる化」することができます。
とりあえず資産管理同様にEXCELで作成して管理することにしました。
最後にまとめ。
◆基本的に年に1度、転職やライフスタイルが変化したときにはその都度、P/L(損益計算書)とB/S(バランスシート)を作成することが大切です。
◆特にB/S(バランスシート)は短期間で改善させるのは難しいため、早い段階で「見える化」することによって、対処の仕方を考えるきっかけとなります。
◆P/L(損益計算書)やB/S(バランスシート)は、定期的に図式化することで実感することができます。
おススメ度:★★★★★(星5つ中)