「水耕栽培」とは土を使わないで、水と液体肥料をつかって植物を栽培する方法です。
土耕に比べて、よく育つので収穫量も多く、また土を使わないので病害虫の心配も少なく、初心者でも気軽に始めることができます。
最近では、コロナ禍で家で過ごす時間が増え、特に知識や経験がなくても、キッチンやリンビングなど室内のわずかなスペースでも手軽に始められることもあり、「水耕栽培」は家庭菜園の新しいスタイルとして注目されています。
今回、レビューするiDOOのスマートLED水耕栽培器(IG302S)は、スマートフォンのアプリと連動し、省スペース設計ながら、最大12株の野菜栽培を楽しむことができる最新の家庭用水耕栽培器。
アプリを使えば、水耕栽培器のファン、ポンプ、LEDライトの遠隔コントロールが可能な高機能モデルです。
iDOOの水耕栽培器を使えば、このような葉ぶりのよい新鮮なサラダ菜が1回あたり50枚/週間収穫可能です!
iDOO水耕栽培器(IG302S)の商品概要
アメリカ・カリフォルニア生まれのヘルスケアブランドであるRENPHOは、サブブランド「iDOO」の名称で、さまざまなタイプの家庭用の水耕栽培器をグローバルに展開しているメーカーです。
「IG302S」は、iDOO初のアプリに連動するスマートLED水耕栽培器の上位モデルです。
5つの注目ポイント
製品仕様
ブランド名 | iDOO(イドー) |
製品名 | iDOOスマートLED水耕栽培器 |
型番 | ID-IG302S |
本体サイズ | 幅35×奥行26×高さ34~54cm ※ロッド高さは20cmの間で調整可能 |
重さ | 2.67 kg(タンク内に水がない場合) |
電源アダプタ | 100-240V 50/60Hz |
電源入力 | 12V=3A |
動作温度 | 4~50℃ |
水タンク容量 | 6.5リットル |
本体材質 | ABS |
ライトパネル | 非防水 |
ファン(ノイズ) | 静音ファン搭載(≤40dB) |
LEDランプ | 4色からなるLEDランプ、22W出力 |
スマホ用アプリ | 「Gennec」対応(iOS, Android) |
パッケージ内容 | ID-IGS302S本体×1セット、スポンジ×24、バスケット×12、プラスチックハット×12、タグ×12、バスケットラベル×12、サボテンカバー×6、ロッド×1、ラバーストッパー(予備)×1、電源アダプタ×1、取扱説明書×1 |
iDOO水耕栽培器(IG302S)のレビュー
外観:インテリアになじむミニマルデザイン
最大12株までの野菜栽培が楽しめるコンパクトサイズです。
本体カラーはホワイトとブラックの2色展開。
キッチンやリビングルームにおいても違和感なくなじむスタイリッシュなデザインで、お部屋のインテリアにあわせて選ぶことができます。
本体はロッドを伸ばさない状態で、幅35cm×奥行26cm×高さ34cm。
植物の成長にあわせて、ランプシェードのロッドの長さを調整すれば、最大54cmの高さまで無段階に固定することができます。
機能1:高性能な植物育成ライトで成長を促進
iDOOのスマート水耕栽培器(IG302S)は、明かりが十分に届かない室内でも育てられるように、4色のLEDライト(赤・青・白・遠赤色)がちりばめられた大きなライトパネル(22W出力)を搭載しています。
この太陽光の波長をもつ大きなライトパネルにより、植物の成長が促進されます。
また、育てる植物の種類に合わせて、2つのLEDライトモードを使い分けることができます。
ハーブや葉物野菜は「野菜モード」で、トマトなどの果菜類の野菜は「花・果物モード」で育てます。
モード | 内容 | 点灯するLED色 |
野菜モード | 葉物野菜、ハーブを育てるモード | 遠赤・赤・白・青 |
花・果物モード | 花・果物を育てるモード | 遠赤・赤・白 |
機能2:自動水循環システムでストレスフリー
iDOOのスマート水耕栽培器(IG302S)は、ペットボトル4本以上に相当する6.5Lタンクで、私がこれまで使っていた水耕栽培器と比べても大容量クラスです。
一度、水と液肥を混ぜ合わせてセットすれば、土耕栽培のように頻繁な水やりが必要がありません。
あとは電動ポンプで水中に新鮮な空気と水を自動循環するので、手間がかからず、初心者でも長く継続できます。
万が一、タンク内の水が少なくなっても大丈夫。
水位は本体の残水量のインジケーターで確認できる他、パネルのランプ点灯やアプリにもアラートを通知するので安心です。
機能3:自動空調システムで通気性改善
ランプシェードには静音ファン(≤40dB)を搭載。
40dBの具体的な目安としては、「昼間の静かな住宅地、図書館」レベルです。
実際には、ファンやポンプはずっと稼働しているわけではなく、間欠稼働するため、稼働音はとても静かで気になりません。
また、このファンがあるおかげで、室内であっても植物の通気性がよくなります。
トマトなど受粉が必要な植物を育てるときには、ファンの微風が全体的にいきわたり、人工受粉を助ける効果が期待できます。
機能4:スマホのアプリ連携でリモート操作
iDOOのスマート水耕栽培器(IG302S)の大きな特徴として、スマホのアプリに対応しているところ。
スマホのアプリ「Gennec」をお手持ちのスマホにインストールすることで、LED照明・ファン・ポンプの稼働時間をタイマー調整が可能です。
育てる野菜や植物、ご自身のライフスタイルに応じた設定に変更します。
また、「栽培日記」機能により、植物の成長をその場で撮影して記録。
楽しみながら育てることができます。
尚、アプリには複数の水耕栽培器を登録できるので、今後iDOOシリーズの水耕栽培器が増えた場合でも、1つのアプリで一括管理・制御が可能です。
スマートフォン用アプリ「Gennec」はこちら。
iDOO水耕栽培器(IG302S)でサラダ菜を育てる
1日目:栽培開始
STEP1:水をタンクに注ぎ、液肥を混ぜる
おすすめの液肥は定番の「ハイポニカ」を使います。
iDOOの水耕栽培器(IG302)はタンク容量が6.5リットルあるので、水6.5リットルに対して、ハイポニカ液肥のA液・B液をそれぞれ13mlず加えて希釈します。
ハイポニカ液肥の使い方
ハイポニカの液肥はA液とB液の2種類あり、それぞれ同じ量を水で薄めて使います。
作物の品種や成長段階に問わず、同じ濃度で使用することができるので、扱いやすく、初心者におすすめの液肥です。
液肥を追加する際は、下表を参考にしてください。
参考 水とハイポニカ液肥の混合割合
水量 | ハイポニカ液肥(A液+B液)の量 |
500ml | 1ml A液+1ml B液 |
1L | 2ml A液 + 2ml B液 |
2L | 4ml A液 + 4ml B液 |
3L | 6ml A液 + 6ml B液 |
4L | 8 ml A液 + 8ml B液 |
5L | 10ml A液 + 10ml B液 |
6L | 12ml A液 + 12ml B液 |
6.5L | 6.5L: 13ml A液 + 13ml B液 |
STEP2:種を培地スポンジにセット
早く種をまきたい!というはやる気持ちをおさえて、下準備をしましょう。
植物の種は付属していないので、育てたい野菜などの種を用意します。
市販の種(サカタのタネ等)で大丈夫です。
水浸漬で発芽種を見極める
まずは種の発芽率をあげるために、「水浸漬」で種を選別します。
水浸漬とは、水をはった容器に種を数時間(目安は2~3時間程度)漬け込むことで、発芽可能性のある種を見極める方法です。
沈んだ種は発芽率が高いので、そちらを培地スポンジに1培地あたり、3~4粒の種をセットします。
スポンジを水に浸す
バスケットに培地スポンジをセットする前に、10~15分ほど水にくぐらせて浸水させておきましょう。
独特の長細い形状の培地スポンジは、多孔質で吸着性のあるピート(泥炭)を成分とした環境にやさしいスポンジなので、吸水力抜群です。
乾燥した状態でもバスケットコンテナにセットすると、すぐにスポンジ下方先端から水がスポンジ全体に浸透して、湿った状態になります。
一般的に水耕栽培でよく使われるウレタン製のスポンジは、あらかじめ洗面器に水をはって、手でもみこむことでスポンジ内部の空気を押しだし、スポンジ内部に水分が十分含むようにしておく必要がありました。
このスポンジは吸水力が非常に強力で、常に湿った状態をキープするため、乾燥して発芽が失敗してしまう心配がありません。
藻・カビ防止シールとバスケットハットをセットする
水耕栽培でありがちなのは、培地スポンジに藻や白カビがはえてしまうこと。
液肥をいれた水が養分となり、日があたることで発生しやすくなります
防止するためには、付属のシールを培地スポンジにはりつけます。
シールは、アルミホイルなども代替品として利用可能です。
すべての種をセットしたら、最後に透明カプセルのバスケットハットをかぶせることで、スポンジ表面の乾燥を防ぎ、最適な水分と温度をコントロール、発芽を促進します。
バスケットハットは、サランラップで覆うことでも代用可能です。
STEP3:電源を入れて栽培開始
準備は整いました。
電源をいれて、栽培をスタートしましょう。
栽培器のデフォルト設定だと、
になっています。
スマホのアプリ「Gennec」を使えば、LED照明・ファン・ポンプの稼働時間をお好みで調整することができるので、育てる野菜や植物、ご自身のライフスタイルに応じた設定に変更しましょう。
2~3日目:発芽
育てる野菜によりますが、サラダ菜の場合、数日で発芽します。
2日目で発芽し、3日目には保護シールの隙間から上方へ芽が伸び始めました。
4~6日目:発芽後、シール上面に双葉がのぞきだす
種によっては差がありますが、早いものでは4日目、遅くても6日目には双葉が防カビシールの上面に伸びてきます。
7~9日目:間引き
バスケットハットの天井にまでつくようになったら、バスケットハットを取り外し、複数発芽した中から、元気のよい1本だけ苗を残して他を間引きましょう。
11日目:グングン成長中
23日目:1回目の収穫!
約3週間ほどでここまで育ちました。
そろそろ1回目の収穫のタイミングです。
サラダボールいっぱいに収穫することができました。
iDOOの水耕栽培器で育てたサラダ菜は、LEDライトのおかげで他の水耕栽培器で育てたものよりも、葉ぶり、色づきもよいです。
徒長もせず、安定した成長を感じますね。
栽培開始からはや2か月経過、すでに8回(最初は1回あたり24-30枚程度、1か月もたつと成長スピードも加速し、1回あたり50枚!)収穫しています。
朝食のサラダ用にはちょうどよい量なので重宝しています。
今後も引き続き、他の野菜やハーブを育てていきたいと思います。
参考:収穫状況の記録
昨年11月に導入以降、約11か月目になりました。
ここではこれまでの収穫状況を記録として残しておきます。
夏場のほうがより成長スピードがはやく、茎がぐんぐん伸びるので、冬場に比べると1回の水耕栽培での収穫量は少なくなる傾向があります。
また、涼しい季節では、約3か月の収穫期間に対して、暖かくなるにつれ約2か月と短くなります。
栽培開始時期 | 2022/11/25 | ー |
収穫1回目 | 2022/12/18 | ー |
収穫2回目 | – | ー |
収穫3回目 | – | ー |
収穫4回目 | 2023/01/02 | ー |
収穫5回目 | 2023/01/07 | 28枚 |
収穫6回目 | 2023/01/13 | ー |
収穫7回目 | 2023/01/20 | 50枚 |
収穫8回目 | 2023/01/28 | 53枚 |
収穫9回目 | 2023/02/04 | 34枚 |
収穫10回目 | 2023/02/10 | 31枚 |
収穫11回目 | 2023/02/18 | 58枚 |
栽培開始時期 | 2023/02/18 | ー |
収穫1回目 | 2023/03/13 | 42枚 |
収穫2回目 | 2023/03/18 | 24枚 |
収穫3回目 | 2023/03/23 | 29枚 |
収穫4回目 | 2023/03/28 | 38枚 |
収穫5回目 | 2023/04/02 | 34枚 |
収穫6回目 | 2023/04/08 | 53枚 |
収穫7回目 | 2023/04/13 | 46枚 |
収穫8回目 | 2023/04/19 | 48枚 |
収穫9回目 | 2023/04/23 | 37枚 |
収穫10回目 | 2023/04/28 | 39枚 |
収穫11回目 | 2023/05/03 | 49枚 |
収穫12回目 | 2023/05/08 | 33枚 |
収穫13回目 | 2023/05/13 | 42枚 |
収穫14回目 | 2023/05/19 | 39枚 |
栽培開始時期 | 2023/05/21 | ー |
収穫1回目 | 2023/06/08 | 35枚 |
収穫2回目 | 2023/06/10 | 13枚 |
収穫3回目 | 2023/06/16 | 24枚 |
収穫4回目 | 2023/06/22 | 35枚 |
収穫5回目 | 2023/06/30 | 49枚 |
収穫6回目 | 2023/07/08 | 41枚 |
収穫7回目 | 2023/07/15 | 32枚 |
栽培開始時期 | 2023/07/15 | ー |
収穫1回目 | 2023/08/06 | 40枚 |
収穫2回目 | 2023/08/10 | 20枚 |
収穫3回目 | 2023/08/15 | 38枚 |
収穫4回目 | 2023/08/20 | 30枚 |
収穫5回目 | 2023/08/24 | 27枚 |
収穫6回目 | 2023/09/01 | 59枚 |
収穫7回目 | 2023/09/10 | 55枚 |
収穫8回目 | 2023/09/20 | 50枚 |
栽培開始時期 | 2023/09/27 | ー |
収穫1回目 | 2023/10/19 | 41枚 |
収穫2回目 | 2023/10/22 | 15枚 |
収穫3回目 | 2023/10/29 | 42枚 |
収穫4回目 | 2023/11/04 | 39枚 |
収穫5回目 | 2023/11/10 | 50枚 |
収穫6回目 | 2023/11/18 | 55枚 |
収穫7回目 | 2023/11/26 | 44枚 |
収穫8回目 | 2023/12/03 | 46枚 |
収穫9回目 | 2023/12/13 | 59枚 |
収穫10回目 | 2023/12/17 | 25枚 |
参考:水耕栽培器による生育の比較
iDOOの水耕栽培器とGreenFarmの水耕栽培器を比較してみました。
左から、❶GreenFarm1号機、❷GreenFarm2号機、❸iDOO水耕栽培器で育てたサラダ菜の状況です。
種と肥料は同じですが、❸の葉ぶりのよさが際立っているのがわかります。
実際、触感もしっかりしているのでお店で販売されているサラダ菜と比べても、遜色はありません。
4色LEDの効果を実感しています。
参考:水耕栽培する際に便利なアイテム
水耕栽培で愛用しているアイテムをご紹介します。
セリア「たためる!シリコンロート」
水耕栽培器に給水する際に便利なロート(漏斗・ジョウゴ)です。
製菓コーナーでみつけました。
シリコン材質で折りたためるので収納の場所にも困りません。
直径8.6mmで、先端がちょうどiDOOの水耕栽培器の吸水口にもピッタリおさまるサイズ感。
エーモンスペアタンク(5リットル)
5リットルの大容量なので、複数の水耕栽培器への給水におすすめ。
一度に複数台給水する場合はこちらを使ってます。
2リットルサイズのペットボトルと使い分けています。
カビ防止ラベルステッカーを自作する
良かったところ&気になったところ
スマートLED水耕栽培器で「自産自消」を実践しよう!
以上、iDOOのスマートLED水耕栽培器(IG302S)のレビューでした。
IG302Sは
が特長の家庭用水耕栽培器。
種と液肥さえ購入すれば、誰でもすぐに水耕栽培器を始めることができるキットです。
高性能なLEDライト照射と自動運転により、最適な水耕栽培環境を整えることができるので、初心者でも失敗なく室内で植物を育てることができます。
あなたもiDOOのスマートLED水耕栽培器(IG302S)で、自産自消を実現してみませんか?
トマトなど果菜類では枝や茎が長く伸びるので、つるを誘引できる専用サポートアクセサリー「ロッド」が便利です。
ロッドを使うことで、空気や光が通りやすくなり、枝葉のとりまわしもやりやすくなります。
デザイン!