生田緑地に広がるばら苑には毎年訪れていたのですが、これまであまり立ち寄ることがなかったのが「日本民家園」。
正直もっと早くここを知っていればと後悔しました。
日本民家園は、神奈川県川崎市多摩区の生田緑地にある日本の古民家を中心としたオープンエアの古民家博物館です。
同じエリアにあり、民家園に入場せずとも無料で利用できる「そば処 白川郷」で食事はしたことがありましたが、その大きな合掌造りの建物そのものも、日本民家園の代表的な重要文化財です。
ここ関東圏という立地にありながらも、これほどの民家が集まっている場所は他にはなく、かなり満足度が高い博物館といえるでしょう。
野外博物館「日本民家園」の楽しみ方
日本民家園は、日本国内の消滅しつつある古民家を残していくことを目的に、昭和42年に神奈川県川崎市多摩区の生田緑地に開園しました。
200年~300年前の東日本の代表的な民家を中心に、水車小屋や、船頭小屋、高倉、歌舞伎舞台など、非常に珍しい建造物(計25件)が移築されており、身近にみることができます。
そのすべてが国・県・市の文化財指定を受けており、建物の中にはいって見学できるので、実際に使われていた生活用具などの展示とあわせて、その当時の生活ぶりを想像しながら楽しめます。
自然と一体化、民俗を体験できる野外博物館
日本民家園は一般的な屋内の博物館ではなく、「野外博物館」という形態をとっています。
野外博物館とは、文字通り野外にて建造物を保存・展示している博物館です。
野外博物館の発祥は1891年に設立された北欧スウェーデンにあるスカンセンですが、日本では1956年の大阪にある日本民家集落博物館をはじめとして、この川崎にある日本民家園を含めて数多くの野外博物館が建てられています。
地域の文化、民俗を後世に保存継承していこうとするアイデンティティのもとに設立された野外博物館は、自然とともに暮らす当時の人々の生活を身近に感じることができる、大変貴重な体験の場といえるでしょう。
ここではより効率的に散策をするために、日本民家園を楽しむためのポイントをいくつか紹介したいと思います。
初見者はまず本館展示室からスタート
まず全体マップをご覧ください。
敷地面積は3.238haと広く、正門から西門にむかってなだらか丘陵になっているため、すべてをまわるとそこそこの運動量です。
施設には正門、奥門、西門があり、どこからでも入場でき、登り路になってしまいますが正門からがオススメです。
というのも、正門からはいってすぐにある「本館展示室」では、これから見学する古民家に関する基礎知識を学ぶことができるからです。
これをみてから見学するかしないかでは理解の深さが変わります。
初見のかたはぜひまずここからスタートするとよいでしょう。
インスタ映えスポット満載!
古民家を囲むノスタルジックな情景は、インスタ映えすることな違いなし。
商用撮影や三脚などの利用は他の見学者に迷惑なので禁止ですが、個人的に楽しむ分には写真撮影は可能です。
春夏秋冬、それぞれの季節の変わり目ごとに訪れてみると新しい発見があるかもしれませんよ。
私は散策に訪れたのは11月23日。
紅葉も終盤にさしかかっていましたが、園内には写真撮影を楽しむ方が多数みうけられました。
古民家の中も公開されているので、当時の暮らしぶりを垣間見ることができます。
道端には美しい花も咲いていて、思わずたちどまり、写真撮影。
小さな発見に癒されます。
訪問前に行事カレンダーをチェック!
日本民家園では季節ごとに様々なイベントを開催しています。
年中行事展示や企画展示解説はもちろんのこと、古民家カフェの「陣屋荘」、囲炉裏を囲みながら昔話を楽しむ「むかし話」、丁寧な解説で理解が深まる古民家めぐりツアー、古民家のライトアップなど、夜の民家園を楽しむイベントも週末を中心に開催。
特に夜の民家園は、闇夜に映し出された古民家の幻想的な風景は感動します。
※床上公開のワンシーン。ボランティアスタッフが囲炉裏に火をいれて数棟の古民家では室内にあがって自由に見学できます。
古民家を満喫できる様々なイベントが開催されているので、「日本民家園カレンダー」(PDF形式でダウンロード可能)を事前にチェックするとよいでしょう。
カレンダーは春夏秋冬4か月ごとに更新されています。
チェック 行事カレンダー
ボランティアガイドとスマホアプリを活用しよう!
園内にはボランティアのスタッフ(炉端の会会員)の方がいて、各民家でそれぞれの建物の解説を詳しくしていただけます。
また30分ほどの園内ツアーも随時開催しています。
非常に詳しく教えていただけるので、このサービスを利用しない手はないです。
また、自分でガイドなしで自由に古民家散策したいという方には、「音声ガイドアプリ」(日本語・英語・中国語・韓国語)がおすすめです。
あらかじめ、お手持のスマホにインストールして古民家園を訪れば、その場で音声ガイドをききながら見学することができます。
※周りの迷惑にもなるのでイヤホンやヘッドホンをつけてガイド音声を楽しみましょう。
↓各古民家のテキストと音声によるガイドがコンテンツとして提供されています。
説明をききたい古民家の番号を選択することで、ガイドページへジャンプします。
グルメも注目 本格的な蕎麦とお団子が美味い!
広い園内にはノスタルジックな雰囲気の中で美味しいグルメスポットがあります。
まず正門はいってすぐのところ、旧家原家住宅では2013年以来、定期的にオープンする古民家カフェ「陣屋荘」では、手作りのお菓子や美味しい珈琲をいただくことができます。
築100年以上の古民家で木の温もりを感じながら、まるでタイムスリップしたようなゆったりと贅沢な時間を過ごしましょう。
次に園内の中ほど、大きな合掌造り「山下家住宅」のそばにある休憩スポットには、お団子「三吉野」があり、地元のお団子を食べることができます。
また現在休業中ですが、旧山下家1階で営業する「そば処 白川郷」では、合掌づくりの古民家で本格的な蕎麦を楽しめます。
※現在は耐震工事のため、2018年6月より約1年半休店中です。
川崎市立日本民家園まとめ
私が訪れたのは紅葉も最高潮をむかえ、晩秋の気配を感じる11月下旬。
園内を含む生田緑地は紅葉した紅葉や黄金に輝くメタセコイヤの並木がとても美しい時期でした。
多摩丘陵に広がる生田緑地には、日本民家園だけではなく、天気の良い日は富士山を望める、「桝形山公園」、先進的な「岡本太郎美術館」、世界最高の星空を鑑賞できる最新メガスターを常設しているプラネタリウム、「かわさき宙と緑の科学館」など、他にも見所がたくさんあります。
関東近郊にお住まいの方は、日帰りで訪れることができる日本民家園にぜひ訪れることをおすすめします。
【スポット情報】 川崎市立日本民家園
公式サイト 川崎市立日本民家園
公式サイト 日本民家園 園内マップ
所在地 | 〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形7丁目1-1 |
営業時間 | 開園:2月~11月 9:30~16:30 入園:2月~11月 9:30~16:30 開園:3月~10月 9:30~17:00 入園:3月~10月 9:30~16:00 休園日:月曜日(祝日の場合は開園)、祝日の翌日(土日・祝日の場合は開園)、年末年始(12月29日~1月3日) |
入園料 | 一般:500円、高校・大学生:300円、65歳以上:300円(川崎市在住の65歳以上、福寿手帳をお持ちの方:無料) ※証明するものが必要です |
交通アクセス | 小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩 駐車場あり |
見学時間 | 1時間~2時間 |
生田緑地の魅力的な散策スポット
日本民家園のある生田緑地にはまだまだ魅力的なスポットがたくさんあります。