めはり寿司、和歌山県から三重県にまたがる紀州・熊野地方に伝わる郷土料理です。
その昔は山仕事や畑仕事の合間に食べる弁当として馴染みのあるものでした。
諸説ありますが、食べると目も口も同じように大きく張ることから、「目張り寿司」、「めはり寿司」と呼ばれたと言われています。
私がはじめてこの「めはり寿司」を食べたのは、学生時代に和歌山方面に遊びにいった時でした。
こぶし大の高菜に包まれた緑色のおにぎりのような姿に驚いたことを覚えています。
めはり寿司のつくり方は簡単です。おにぎりを高菜の葉の浅漬けで包むだけ。
塩漬けしたした高菜に加えて、醤油やみりん、砂糖などでつくったタレをつける場合もありますが、今回はシンプルに手作りの高菜漬けだけをつかったおにぎりにしました。
芯が太い場合は、高菜の葉と芯をわけて、芯の部分は刻んで具材としてご飯でくるむといい具合に出来上がります。
高菜の葉を巻くときに、葉をピンとはって巻くのがきれいに仕上げるコツです。
ご飯を包む、高菜のシャキシャキとした食感。
そして高菜の塩っ気がいい感じに白いご飯とあわせて食欲をかきたてるのです。
やはりめはり寿司はお弁当として外で持ち出して、晴天の中、食べるのが最高にいいかもしれません。
自家製高菜漬けの作り方
近所の農協直売所で、新鮮な高菜の束をみつけたので自家製の高菜漬けにチャレンジしてみました。
高菜はアブラナ科の野菜で、カラシナの変種のため、ピリッとした独特の辛味と風味が特長です。
【材料】
・高菜:2株
・塩:1日干した高菜の重さの6%
・唐辛子:1~2本(小口切り)
・昆布:5×5cm(細く切る)
【作り方】
1.高菜を良く洗い、しんなりするまで1晩~1日干す。(今回は室内で干しただけ)
2.高菜と調味料(塩、唐辛子、昆布)を交互にジップ式ポリ袋に入れる。高菜は茎側が厚いので、茎と葉の向きを交互に重ねると良い。
3.空気を抜いてジップを閉め、大きいボウル等に入れ、上から重石(ペットボトル等でも良い)を乗せる。(今回は2kgの重石を乗せた。)
4.半日毎に表裏を返しながら、2~3日常温で漬ける。
5.味見をして、少し味が馴染んでいたら、冷蔵庫に入れる。すぐに食べられるが、1週間程置くと更に馴染んでくる。
こちらは数日間、暗所にて漬けた高菜を刻んだ「高菜のお漬物」。
独特の高菜の風味とシャキシャキした食感が春の息吹を感じますね。
お茶漬けにしてもよし。
スーパーでできあいの高菜漬けを買うのも手軽ですが、フレッシュな高菜を見つけたら、ぜひ高菜漬けを仕込んでみてはいかがでしょうか?