自宅のWi-Fi通信環境がいまいち調子悪い方に、すぐにできて効果が期待できる改善策を3つ解説します。
部屋によってはWi-Fiルーターでは電波の弱いとことがある。
または、Wi-Fiルーターに接続する機器が多いため、通信が途切れがちであったり、最近になってつながりにくくなった。
自宅のWi-Fi通信環境でこのようなお悩みはありませんか?
この記事では自宅のWi-Fi(無線通信)環境を改善するための、3つの方法を解説。特に話題のWi-Fi6からメッシュWi-Fiまで、私が導入しているおすすめの商品まで紹介しています。
わが家はメッシュWi-Fi(トライバンド対応)ルーターを導入することで、劇的にスループットが改善。
家中どこでも安定した高速ワイヤレスインターネット通信環境を手に入れました。
Wi-Fi環境を改善する3つの方法
Wi-Fi(無線通信)環境を改善するためには、主として次の3つの方法があります。
- より高速な次世代Wi-Fiルーター(Wi-Fi6対応)の導入
- Wi-Fi中継器を追加導入
- メッシュWi-Fiルーターの導入
順番に解説していきます。
1.より高速な次世代WI-Fiルーター(Wi-Fi6対応)を導入する
最新の規格Wi-Fi6(IEEE802.11ax)は従来の規格より、大幅に通信速度とデータ転送量(スループット)が向上しています。
同時に接続できる機器の数が増加。
複数の機器が接続する混みあった環境でも、安定した通信をおこなえるのが、最新の「Wi-Fi6」です。
Wi-Fi4 | Wi-Fi5 | Wi-Fi6 | |
IEEE規格の正式名称 | IEEE802.11n | IEEE802.11ac | IEEE802.11ax |
策定時期 | 2009年 | 2013年 | 2019年 |
利用周波数帯 | 2.4Ghz/5GHz | 5GHz | 2.4Ghz/5GHz |
理論上の最大通信速度 | 300Mbps | 6.9Gbps | 9.6Gbps |
実効スループットの一般的な上限値 | 300Mbps | 800Mbps | 1Gbps以上 |
MU-MIMO最大接続数 | (交互接続) | 4台 | 8台 |
今後より大容量の映像コンテンツ(4KやVR)が普及することが予想されるので、より高速で安定した通信が求められますが、Wi-Fi6であれば十分に対応することができます。
ただ現時点では最新規格のため価格が高く、また対応機種も一部の機器(iPhone11やiPhone SE2020など)に限られることから、ユーザー環境によってはオーバースペックになるかもしれません。
下位互換性もあるので今買っても非対応機器で使えますが、Wi-Fi6に対応する所有機器が増え、価格もこなれてきたタイミングで導入するのも一手です。
・Wi-Fi6対応機器をたくさん所有するユーザー
・家族や個人で複数機器を同時に利用したいユーザー
チェック 売れ筋のWi-Fi6対応ルーターはこちら
2.Wi-Fi中継器を追加導入する
1台のWi-Fiルーターではカバーできる範囲は限定的です。
また建物には壁や扉などさまざまな障害物があるため、電波は減衰します。
自宅の隅々までWi-Fiの電波をさらに遠くまで飛ばすために役立つのが、「Wi-Fi中継器」です。
Wi-Fi中継器を使うことで、手軽に電波を補強できます。
接続したい機器との距離が遠かったり、そもそも電波が弱いため親機から離れた部屋に届きにくいケースでは、低コストで解決することができます。
注意点としては、Wi-Fi中継器は単体では利用することができず、必ず親機が必要なことです。
既に親機が設置している場合は、中継器を追加購入するだけで拡張することができます。
お手元のルーターを活かしつつ、電波を拡張するにはもっとも手軽な方法です。
・既設の親機に追加することで、手軽にWi-Fiを拡張したい方
チェック 売れ筋のWi-Fi中継器はこちら
3.メッシュWi-Fiルーターを導入する
メッシュWi-Fiは複数のルーターを組み合わせることで、文字通り、メッシュ(網目)状にネットワークを構成してエリアをカバーできる技術です。
電波が届きにくいところでも、台数を増やすことで部屋のすみずみまで拡張できるのが特長。
わが家では最近こちらのメッシュWiFiに交換したところ、部屋のすみずみまでWi-Fiの電波が行きとどき、ストレスがなくなりました。
中継器と比べて、1つの共通SSIDで接続できることがポイント。
接続した機器をもって部屋を移動した場合、最も電波が強いルーター(アクセスポイント)に自動的に切り替えて接続を維持できるのが特長です。
これが中継器の場合、SSIDを中継器のものに切り替える必要があり、また電波の弱い親機の電波をつかんだままということもあるので、つながりにくいといったことも起こります。
注意点として、単体での電波が弱いため、複数のルーター(アクセスポイント)を設置することでネットワークを拡張します。
そのためコストがかかります。
また各ルーターには電源が必要なため、設置場所を考慮する必要もあります。
逆にメリットとしては、最初は最小限の構成(2台)から設置して、家屋の状況に応じて追加で設置しながら拡張できるのがよいところです。
家中どこでも安定してWi-Fiの電波を届かせたいのであれば、メッシュWi-Fiは導入も簡単で、オススメです。
あとから追加して拡張できるのもよいところです。
・広い家(戸建て、3LDK以上)に住んでいる方
・Wi-Fi接続機器が多い方
トライバンド対応&マルチユーザーMIMO対応がポイント
以上、ご家庭のWi-Fi環境を改善する方法をみてきました。
同時接続する機器が多い場合には、機能的側面からぜひ注目したいポイントがあります。
メッシュWi-Fiルーターの中でも、トライバンド対応とマルチユーザーMIMO対応であれば、尚よしです。
1.トライバンド対応
従来のWi-FIは2.4GHzと5GHzの2つの周波数(デュアルバンド)が主流でした。
ただデュアルバンドでは、2.4GHzと5GHzでそれぞれ1つずつの電波しかないため、接続機器が増加するとそれぞれの電波に負荷が集中し、結果的にWi-Fiに同時接続する機器が増えると、速度が遅くなってしまいます。
一方、トライバンドでは、文字通り3つの周波数帯域(1つの2.4GHzと高速な2つの5GHz)を使うため、接続機器を分散することができます。
例えると、2車線の道路が3車線になることで交通量が緩和されるイメージです。
2.マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)対応
従来主流であったシングルユーザーMIMO(SU-MIMO)では、基本的にどんな状況おいても接続機器と無線ルーター間では1対1で通信することが前提になっていて、順番に切り替えて通信をおこなっていました。
そのため同時接続する機器が増えると、切替に時間がかかり、速度低下につながる原因になっていました。
マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)は同時に通信接続ができる接続機器数が増えることで、今後動画をはじめとした高速通信が必要なデータを複数の機器で快適に楽しむためには必須の機能です。
・Wi-Fi接続機器が多い方
(従来のデュアルバンドでは通信速度が遅く感じる方)
・無線に加えて、有線LAN接続する機器数も多い方
おすすめのメッシュWi-Fi3選(TP-LINK)
以上、Wi-Fi環境改善のために検討するべき3つの手段を順に解説してきました。
- 次世代高速通信対応のWi-Fiルーター
- Wi-Fi中継器
- メッシュWi-Fi
さらに機能面としては、
- トライバンド対応
- マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)対応
がポイントであることを紹介しました。
これから新しくWi-Fi機器を導入検討されている方には「メッシュWi-Fi」、中でも「トライバンド対応メッシュWi-Fiルーター」がオススメです!
トライバンド対応メッシュWI-Fiのメリット
- 3つの周波数帯域(2.4GHz×1、5GHz×2)を使えるので高速
- 同時に接続する機器が増えても、安定して通信接続できる
- 部屋の隅々まで通信カバー範囲が広い
- 同一SSIDで最適なWi-Fiに自動接続(シームレスローミング)
トライバンド対応メッシュWi-Fiのデメリット
- 現状価格がやや高め
- 搭載アンテナが多い分、重め。熱も持ちやすい。
数あるメッシュWi-Fiの中でも、特に初心者にオススメしたいのがTPーLINK社のWi-Fiルーター「Decoシリーズ」です。
スマホのアプリで簡単に設定できるので、買ったその日からすぐにメッシュWi-Fi環境を手軽に構築することができます。
また同社製品であれば、機器間で互換性があるので相互に接続できるのもポイントです。
初心者よういくつかバリエーションがあるので、用途に応じて選ぶとよいでしょう。
オススメ1.低価格の軽量エントリーモデル:Deco M4
わが家では5月からメッシュWi-FI(TP-LINK社のエントリーモデル Deco M4×2台)をはじめて導入。
メッシュWi-FIにより、これまで部屋間で不安定だったWi-Fi環境が劇的に改善しました。
デュアルバンドながら、高速・広域・安定した快適なWi-Fi通信環境になり、大変満足しています。
私が最初に買ったメッシュWi-FiルーターがこちらのDeco M4。
スマホだけで簡単設定でき、部屋中どこでもWi-Fiが安定してつながるようになりました。
オススメ2.パワフルなトライバンド対応モデル:Deco M9 Plus
Deco M4を導入した直後にキャンペーンで当選した、同社の上位機種「Deco M9 Plus×2台」に切りかえました。
現在はこちらの「Deco M9 Plus」を稼働中です。
Deco M9 Plusは最大2134Mbpsの速度を持つトライバンド対応、マルチユーザーMIMO対応のメッシュWi-Fiルーター。
さらにスマートホーム対応(スマートハブ機能内蔵)しているので、TP-Linkスマートホーム機器はもちろん、Wi-Fi・Zigbee・Bluetooth等の他社対応スマートデバイスを接続できる点もポイントです。
スマートホーム化を進めているわが家にもピッタリのルーターですね。
ただ、わが家の上位回線は共有100MBが上限なので、そこがボトルネックとなってこれ以上の速度はのぞめませんが、上限ぎりぎりまでのスループットがでているので合格点でしょう。
ヒートマップはご覧の通り、部屋のすみずみまでWi-Fi電波がゆきわたり、途切れることは一切ありません。
年々増加する複数の機器のアクセスと広範囲にWi-Fi電波を安定して受信できるメリットはとても大きいです。
ただエントリーモデルのDeco M4と比べると、アンテナが8本搭載されてパワーがあるため、本体に熱をもつのが気になりました。
もう少し部屋が広い、戸建ての場合はこちら。
スマートホームなどの拡張性を考えるなら、M9 Plus がよいでしょう。
オススメ3.高速Wi-Fi6対応モデル:Deco X20
最新のWi-Fi6に対応した高速通信モデル、Deco X20。
通信速度は最大1800Mbps(1,201 Mbps/5GHz+ 574 Mbps/2.4GHz)のデュアルバンド方式。
最大で150台接続、最大で370㎡のカバレッジがあります。
3階建ての戸建てから、小規模オフィスまで対応できるパワーです。
Wi-Fi対応機器が限定的。将来をみすえて導入するのもありですが、まだまだ価格が高め。
メッシュWiーFi対応なので延べ面積100坪をこえるご自宅にお住まいの方にはカバレッジも十分ですね。
まとめ:Wi-Fi電波改善はご家庭の環境に応じて適切な手段を選ぶ
部屋数が多くてそこそこの広さの住居にお住まいの方には、自宅のWi-Fi環境改善のための3つの方法の中でも、特にメッシュWi-Fi(トライバンド対応)が手軽に導入できるので、個人的にはおすすめの方法です。
ただ導入にあたってはまず以下のポイントでよく考えてみてください。
自宅環境と所有デバイス数は?
デュアルバンドなのか、トライバンドなにか、さらにはWi-Fi6対応まで視野に入れるのかについては、あなたの所有デバイス数やお住まいの広さ、上位接続インターネット回線のキャパシティなどを総合的に考慮する必要があります。
旧機種だとそもそもWi-Fi6には対応していませんし、ワンルームや2LDKであればわざわざメッシュWi-Fiを導入するまでもないケースもあるでしょう。
有線と無線の組み合わせも一考
またすべてを無線LANで接続しなければいけないわけではありません。
より安定性を求めるのであれば有線も選択肢にはいります。
これはメッシュWi-Fiで家庭内ネットワークを構築する場合もあてはまります。
いわゆるイーサネットバックホール機能をつかえば、親機・子機間の通信を無線ではなく、有線接続できるので、より安定した家庭内LANを構築できます。
同じ環境の方はぜひ有線×無線の組み合わせを試してみてください。
わが家のケースでは、マルチメディア情報コンセントが各部屋に設置されていますので、コンセントとDecoのLANポートを有線で接続しています(下図参照)。
つまりメッシュWi-Fiの親機・子機間は無線ではなく、有線で接続することでより安定した通信環境となります。
部屋固定の据置機器であるTVやゲーム機器、ハードディスクレコーダー、オーディオ機器などは基本的に有線です。
無線ルーターに直接かハブをかませて有線接続しています。
上位接続回線の上限速度は?
また、Wi-Fiルーターの性能が向上したとしても、あなたの契約するインターネット上位回線の帯域との兼ね合いもあることにも留意してください。
通信帯域の上限が決まっているので、いくら家庭内ネットワーク環境を高速対応したところで、それをこえることはできないのですから、無駄にコストをかける必要性はないでしょう。
オーバースペックとならないように、ご自宅の環境と用途にあった適切なWi-Fiルーターを選ぶことがポイントです。
メッシュWi-Fiで快適なWi-Fiインターネットライフを。