年齢を重ねるうちに聴力が低下して、テレビの音声が聴きづらくなってきます。
加齢による理由はどうやっても避けようはありませんが、テレビの大型化にともなってテレビとの距離が遠くなりがちで、家族と一緒にテレビをみていても自分だけが音が聴きづらいなんてこともおこりがちです。
とはいえ、音声を大きくすると自身は気づかずとも、大音量で周囲やご近所に迷惑がかかっているなんてことにもなりかねません。
そんな時に「手元スピーカー」が重宝します。
手元スピーカーはテレビの音声を手元で聞けるテレビ用のスピーカーのこと。
手元に置くため、テレビ本体の音声を大きくする必要がないので、家族と一緒でも自分だけのスピーカーとして使うことができます。
また耳が聴こえづらい高齢者でなくても、キッチンなどテレビから離れたところでもテレビの音声をはっくりききたい、みんなが寝静まった深夜で音声を抑えたいなどといったニーズにもこたえます。
年配の方はもちろん、キッチンや寝室など幅広い用途で使える便利な手元スピーカーです。
手元スピーカーを選ぶ時に重視するべきポイントは?
今回、私が選んだのはソニーの「SRS-LSR100」です。
昨年のクリスマスプレゼントとして相方の実家に贈りました。
大音量になりがちなテレビ音量を抑えるために使っています。
いわゆる手元スピーカーの中でもやや高めの価格設定ですが、いくつか商品を実際に手に取り、機能を比較検討した結果、やはり最初のインプレッション通り、ソニーの手元スピーカーを選んで大正解。
テレビ用の手元スピーカーを選ぶにあたって、特に重視したのは次の3つのポイントです。
ポイント1. 高齢者でも一目でわかりやすく、使いやすいか?(操作性)
ポイント2. 音声がクリアーで聴きやすいか?(音質)
ポイント3. 電源の種類は豊富か(AC電源、乾電池&バッテリー)?
とても基本的なことばかりですが、購入前に量販店へ足を運び、様々なメーカーの製品を実際に手に取って質感・重さ、使い勝手などを確認しました。
SONYの手元スピーカー(SRS-LSR100)はこの3つのポイントを抑えつつ、さすがオーディオのソニーだけあって、痒い所に手が届く機能もあり、総合的に抜きん出ているスピーカーでした。
SONY手元スピーカー「SRS-LSR100」のレビュー
SONYの手元スピーカーは、離れた場所でもテレビの音声がはっきり聴こえるリモコン付きワイヤレススピーカーです。
基本的な仕様は以下の通り。
ポイントは2W+2Wのステレオスピーカー搭載、無線方式でスピーカー本体だけを好きなところへ持ち運びができる点。
しかも、AC電源(別売ACアダプター必要)とバッテリー駆動(連続で約16時間)の2つの方式で使えるのがいいですね。
SONY手元スピーカー「SRS-LSR100」の基本仕様
1.アンプ部 | |
・実用最大出力(ACアダプタ使用時) | 2W+2W |
・実用最大出力(内臓バッテリー使用時) | 1.3W+1.3W |
2.無線部 | |
・与干渉距離 | 80m |
・見通し距離 | 約30m |
・使用周波数帯域 | 2.4GHz帯 |
・連続使用時間 | 約16時間(使用条件により異なる) |
・充電池充電時間 | 約3時間(使用条件により異なる) |
3.リモコン部 | |
・方式 | 赤外線方式 |
・対応テレビメーカー | ソニー・パナソニック・シャープ・東芝・日立・三菱・パイオニア・LG |
・降格180度発光 | ● |
・操作キー | 12キー(1-12)、地デジ、BS/CS、10キー入力、音量+/-、チャンネル+/-、消音 |
4.接続 | |
・入力(送信機) | 3.5mmφステレオミニジャックx1、角型光デジタル端子x1 |
・入力(スピーカー) | なし |
・出力(送信機) | なし |
・出力(スピーカー) | 3.5mmφステレオヘッドホン端子x1 |
5.電源 | |
・電源(送信機) | USBマイクロタイプB、DC 5V |
・電源(スピーカー) | リチウムイオンバッテリー、AC電源 |
SONY手元スピーカー「SRS-LSR100」の使い勝手
それでは早速レビューしていきます。
ポイント1. 高齢者でも一目でわかりやすく、使いやすい!(操作性)
まず手元スピーカー本体をみて、直感的に誰でもつかいやすそうだなと感じました。
御覧の通り、本体上面にまるでテレビの大型リモコンかのように美しく配列されたダイヤルとボタン群。
ボタンも文字も大きくてみやすいのが印象的です。
電源ボタンをかねたスピーカーのボリューム部分はタッチして電源のオンオフ、ボタンをまわすとボリュームを調整することができます。
チャンネルの切り替え、音量調整、消音(ミュート)など基本的な操作はすべてこのリモコンがあれば、手元でできるのがいいですね。
まさに自分だけのマイリモコンです。
またハンドル付きで、電波が届く範囲であればリビング、キッチン、ダイニングへとどこへでも持ち運ぶことができます。
※キッチンなどでの使用に便利な防滴機能(IPX2相当)あり。
テレビからの見通し距離は30mまで離れて使え、リモコンの送信範囲は有効180度もあるので、必ずしも手元スピーカー本体とテレビが向き合っていなくても大丈夫です。
ポイント2. 音声がクリアーで聴きやすい!(高音質)
手元スピーカーは、テレビ本体の音量をあげなくても、スピーカーの音量だけをあげることができるのが良いところ。
肝心の音質ですが、2W+2Wのステレオスピーカーを搭載、干渉に強い2.4GHzの無線伝送方式を採用しているのでテレビの音声との音ズレも感じられません。
しかも人の声を強調させて聴き取りやすくしたテレビ視聴用に開発したスピーカーなので、ニュース、ドラマ、バラエティ問わず快適に楽しめるのです。
※テレビの音声から声の中心成分を抽出して強調、聴き取りやすい音声として出力(ボイスズーム機能)
それ以外にも、周辺の騒音をスピーカー本体に内蔵したマイクで拾って、独自アルゴリズムで自動的にスピーカーの音量と音質を調整、聴きやすい音量と音質に自動調整する機能(おまかせ音量)も搭載されているので、うるさい騒音環境でもはっきりとした音を再現することができます。
ここまでインテリジェントな賢い手元スピーカーは他にはありません。
ポイント3. 電源の種類は豊富!(AC電源&バッテリーの2方式)
約3時間充電で最大約16時間使用できるスタミナバッテリーを搭載、1日つかって就寝前に充電台(送信機)の上に置くだけです。
普段はこのようにテレビ前に設置した送信機に置いておくと自動で充電します。
ただ毎度毎度わざわざ送信機に本体を戻すのが不便に思うでしょう。
私のようにダイニングテーブルに手元スピーカーを置いたまま使いたい場合は、別途AC電源アダプター&マイクロUSBケーブルを購入して、常に充電しながら使用することもできます。
また内臓充電式バッテリータイプで長期間使用しているうちに、先々バッテリーが劣化してくるため、AC電源による給電手段もあると万が一の時にも安心です。
できればACアダプターも同梱してほしかったなぁ・・・
現時点では手元スピーカーとしてピカイチの完成度
以上、SONYのテレビ用手元スピーカーの良いところをまとめると・・・
・無線(ワイヤレス)接続なので、スッキリ
・ステレオ音質はクリアー、無線による遅延・音ズレも感じられない
・テレビ電源連動で、音声の有無を感知して自動電源オンオフ機能
・音量自動調整、ボイスズームなどインテリジェントな機能が心にくい
・本体コンパクト(重さ約440g)で持ち運びやすいハンドル付き
・朝から晩まで使ってもバッテリー切れすることない大容量バッテリー
・バッテリー以外にもACアダプター(別売)で給電は2方式
・本体にイヤホンをつないで楽しむこともできる
・国内主要メーカーに対応(ソニー製テレビでなくてもOK)
一方で気になる点は・・・
・ACアダプターとマイクロUSBケーブルが別売りなのが残念
・持ち運び用ハンドルがやや細くてもちづらい
・電子オーブンレンジの電波干渉あり
さすが開発者が「使い心地にこだわった」というだけあって、リモコンとしてもとても見やすくて使いやすい。
もちろん、スピーカーとしての音質もステレオで申し分なし。
一方で、スピーカー本体と送信機(充電台)の通信には、干渉に強い2.4GHz帯の無線を使っているのですが、パナソニックのオーブンレンジ(ビストロ)の使用時に電波干渉を受けて、音声が途切れ途切れになる事象を確認しました。
この点は無線方式のため多少致し方ないと思いますが、日常的に使う分にはテレビ音声と比べても、音ズレなどの違和感は感じられず、快適な使用感。
間違いなく、現時点で最高峰の手元スピーカーだと思います。
セットアップはケーブルを接続するだけですが、年配の方にはわかりづらいかもしれません。
手元スピーカーをプレゼントついでに設置までやってあげましょう!
手元スピーカー タイプ別オススメ機種(有線・無線・首掛け)
一般的に手元スピーカーには2種類タイプがあります。
1つはケーブルで接続する有線タイプ、もうひとつは無線(ワイヤレス)で接続するタイプです。
テレビとの接続が有線のスピーカーです。
メリット:音声の遅延がない、価格が安め
デメリット:ケーブルが邪魔になりがち、テレビとの距離が遠いと届かない
Bluetoothまたは独自規格の無線(2.4GHzデジタルワイヤレス方式等) が主流です。
メリット:ケーブルがないので場所を選ばない
デメリット:価格がやや高め、音声遅延(周囲の無線環境)、バッテリーの劣化
それぞれメリットとデメリットがありますが、用途や設置環境によって最適な手元スピーカーを選ぶとよいでしょう。
以下、ご参考までにタイプごとに、いくつか気になった製品を紹介いたします。
有線式(スピーカータイプ)
AT-SP230TV(audio-technica)
有線式なので直感的に使いやすいスピーカーです。
今となってはめずらしい電池式、ACアダプターは別途購入する必要があります。
よりコンパクトなAT-MSP56TVもありますが、こちらはモノラル音声です。
MM-SPTVBK(サンワサプライ)
こちらはモノラルスピーカー搭載、3.5mmステレオミニジャック端子で接続するので、古いテレビでも接続可能。
付属ケーブルが5.0mと長いです。電源はタ3乾電池4本のみ。
廃版ですが、在庫販売中。
無線式(スピーカータイプ)
無線(ワイヤレス)のスピーカーは見た目もすっきりして、ケーブルのわずらわしさもなく、自由に場所を選べるので特にオススメです。
機能面・価格面ではそれほど差がありません。
また通常カラーバリエーションもホワイトとブラックの2色展開されていますので、最終的にはお好みのデザインで選ぶとよいでしょう。
いずれも待ち運びに便利なハンドルがついています。
JVC SP-A850(JVCケンウッド)
AT-SP767TV(audio-technica)
400-SP064(サンワダイレクト)
無線式(リモコン付きスピーカータイプ)
無線式スピーカータイプにTVを操作できるリモコン機能がついたタイプです。
リモコンが1つですむのでスッキリしますね。
このタイプでは今回オススメしているソニーの手元スピーカーが断然良いです。
SaiEL リモコン機能付き手元スピーカー
見た目がどこかソニーの手元スピーカーにそっくりな製品。
※性能や質感は言うまでもなく、ソニー(SRS-LSR100)がよいです。
AT-SP450TV(audio-technica)
リモコンなしの安価なタイプもありますが、こちらはTVリモコン機能がついたタイプです。
赤外線方式なので、環境としてTVとスピーカーの間にさえぎるものがない前提であることに注意。
無線式(首掛け・イヤホンタイプ)
イヤホン・ヘッドホンタイプなので、基本的に自分ひとりだけ個人で楽しむ場合はこちらの選択肢もあります。
集音器/肩掛け SMR-10(SONY)
かんたん操作で、自宅でもお出かけ先でも気軽に使えるデザインの首掛けタイプの集音器です(イヤホン+スピーカーの2方式)。
ソニー独自の技術により、周囲の音を常に解析して、騒音の特性にあわせて聞こえ方を自動調整します。自分の話す音声は自動で抑えて、会話がしやすくなります。
テレビ用スピーカーとして使う場合は、イヤホンをはずして肩掛けの状態で楽しむことができます。首掛け部分にテレビ用スピーカーを内蔵しているので、イヤホンを耳につけておく必要がなく、肩掛けスピーカーとして使えるのがよいですね。
ウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1(SONY)
いわゆる「ウェラブルネックスピーカー」の代表的商品がこちら。
音連動バイブレーション機能付きで、特にテレビゲームや映画鑑賞にむいている肩掛けスピーカーです。
その他、ウェラブルネックスピーカーはこちら。
参考 売れ筋のウェラブルネックスピーカー
Bluetoothで接続できるスピーカーであれば、Bluetoothトランスミッターという送信機をテレビの音声出力に接続することで、お手持のスピーカーやネックスピーカーへ音声を飛ばすことができます。
「手元スピーカー」はご自身の近くで音声を大きくすることができるので、テレビ本体のボリュームを大きくする必要がありません。
周りに迷惑をかけることなく、自分の近くだけ聴きやすくなります。
テレビとの接続には、ケーブルがない無線(ワイヤレス)方式が自由に持ち運びができるのでオススメです。