家族の見守りや防犯意識の高まりから、手軽な価格帯で高機能な家庭用のネットワークカメラが発売されています。
ネットワークカメラを選ぶ上で大切なポイントは、「高画質」で「広画角」であること。
そして、屋外用途であれば防水防塵性はもちろんとして、夜間や暗闇の中であっても、モニタリング対象やエリアをくっきりと確認できる「高感度」であることも重要です。
今回レビューするTP-Linkの「Tapo C320WS」は、これらの条件をカバーをする高機能かつ環境ロバストネスに優れた屋外用ネットワークカメラです。
「Tapo C320WS」の概要
一押し!注目のポイント
- 高画質(400万画素・2K録画可能)
- フルカラーナイトビジョン搭載で夜間でもくっきり
- IP66防水防塵対応で屋外使える
- 安心安全、豊富なセキュリティ機能
- 最大416時間ローカル録画できる
- スマホで複数カメラを管理できる
「Tapo C320WS」の仕様をチェック
商品名 | Tapo C320WS(型番:Tapo C320WS) |
メーカー | TP-Link |
製品サイズ(プラグ含む) | 142.3 x 103.4 x 64.3 mm(幅×奥行き×高さ) 電源アダプターケーブル長:約3m |
重量 | 218g(カメラ本体実測値) |
無線規格 | IEEE 802.11n/g/bの2.4GHz帯 |
動画圧縮規格 | H.264 |
フレームレート | 15fps |
ビデオストリーミング | 4MP |
レンズ | F/NO:1.61;焦点距離:3.18 mm、8倍ズーム可能 |
カメラ視野角 | 撮影範囲122.1° |
カメラ解像度 | 4MP(2560 × 1440) |
ナイトビジョン |
850 nm IR LED:最長30m |
LEDインジケーター | システムLED、白色LED×2 |
音声通話機能 | 双方向通話(マイクおよびスピーカー内蔵) |
アダプター入力 | 100-240VAC, 50/60Hz, 0.3A |
アダプター出力 | 9.0V/0.6A(DC電源) |
対応OS | iOS 10+, Android 5.0+ |
製品保証期間 | 3年間 |
同梱物 | Tapo C320WS本体 電源アダプター(ケーブル長:約3m) 取り付け用テンプレート アンカー&ネジ 防水シール 防水ケーブルアタッチメント かんたん設定ガイド |
より詳細な仕様は公式サイトをご覧ください。
参考 TP-Link「Tapo C320WS」製品仕様
参考 TP-Link公式カメラ設置方法(English)
「Tapo C320WS」のレビュー
カメラ性能:高画質・広画角・高感度で夜間でもくっきり捉える
高画質(400万画素・2K録画可能)・広画角(122.1°)
ネットワークカメラを選ぶ上で、大切なポイントは「高画質」で「広画角」であることです。
「Tapo C320WS」は400万画素(2560 × 1440ピクセル)と家庭用カメラの中では高解像度クラス。
動画も15fpsのH264圧縮で、2K映像を録画可能です。
カメラ視野角も122.1°あり、8倍ズーム可能なので確認したいエリアを確実にとらえることができます。
高感度センサー×フルカラーナイトビジョンで夜間でもくっきり
夜間でも30m先までとらえられる850nmのナイトビジョンに切り替え可能です。
赤外線による白黒モードに加えて、フルカラーでの撮影にも対応しており、夜間に撮影する「おやすみモード」は3つのナイトモードをお好みで切り替えて使います。
カメラ撮影モード | 機能 |
①赤外線モード | 前モデル「Tapo C310」と同様に、夜間や暗闇での赤外線による白黒撮影モード |
②フルカラーモード | 白色LEDライトを利用したフルカラー撮影モード |
③スマートモード | 常時赤外線で録画をしつつ、動体検知時にはフルカラー撮影に切り替えるモード。 常時LED点灯を避けることができる。 |
また、高感度のスターライト・センサーが搭載されているので、従来よりも光量が少ない場所でも高画質で録画ができます。
実際に撮影した昼間と夜間でのカメラ映像のスクリーンショットがこちら。
左から、夜20時の暗がりの中で①「日中モード」のフルカラーで通常撮影、②赤外線モードでの白黒撮影、③白色LEDを点灯させてのフルカラーナイトビジョンで撮影したものです。
高感度センサーのおかげて、夜間でもはっきりと物体をとらえていることがわかります。
「Tapo C320WS」は、 高解像度に加えて、環境ロバスト性の高さと視認性のよさが特長です。
①日中モードでも、高感度センサーのおかげで、周辺がかなり暗くなっているにも関わらず、くっきり明るく撮影できていることに驚きました。
③LEDを点灯させてナイトビジョンモードで撮影することで、視認性がさらによくなっています。
セキュリティ機能:多彩な安心・安全機能で見守る
動作検知・通知機能
カメラでとらえた不審者の動作検知をトリガーとして、アプリへの通知や録画(本体MicroSDカードへの記録)もできます。
※録画用のMicroSDカードは別売りです。
アラート機能
内蔵ライトとスピーカーの効果音によって、不審な来訪者を警告できるアラート機能も利用可能です。
アラート音は2種類から選択可能。
アラートのオン・オフ設定もスマホのアプリで設定が可能です(音量は調整不可)。
双方向通信機能
スマホのアプリを使えば、カメラ本体にある内蔵カメラとマイクを使って、離れた場所からでも双方向のコミュニケーションが可能です。
設置性:IP66防水・有線無線LAN対応で自由度高い
IP66対応で屋外でも安心設置
「Tapo C320WS」は、ホワイト基調の本体に、赤のラインが印象的な屋外カメラです。
本体サイズも、142.3 x 103.4 x 64.3 mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクト。
軽量かつ省スペース設計ながら、「台風などの激しい雨でも浸水の恐れがない防水仕様」に相当するIP66対応なので、風雨にさらされる可能性がある屋外への設置も可能です。
基本的に壁などに穴をあけてネジで固定するカメラのため、平面において据え置き利用ができません。
戸建てなどの持ち家の場合であれば、壁に穴をあけて設置することは容易ですが、賃貸だったり、分譲マンションの場合は、共有部分への取付になるので設置には工夫が必要です。
おすすめは、ベランダにある配管ポール等にリングで固定するブラケットです。ブラケットを使えば、傷つけることなく設置できます。
ネットワーク接続は有線・無線LANに対応
ネットワークへの接続は、有線LANポートと無線LAN接続の両対応しているので、ご自宅の設置環境にあわせて選ぶことができます。
注意点としては、本体への電源供給はPoE未対応のため、LANケーブルから電力を供給することができません。
付属のACアダプター(非防水)を使ってコンセントから電源をとります。
ケーブルの長さは3mありますが、足りない場合は別途アダプター延長コードを購入するとよいでしょう。
延長対象 | 対応規格 |
ACアダプター延長コード | アダプター入力 100-240VAC, 50/60Hz, 0.3A アダプター出力 9.0V/0.6A(DC電源) |
有線LAN延長ケーブル | CAT5E規格(1Gbps)以上お勧め |
付属の防水シールやケーブルアタッチメントで、しっかり防水対策も忘れずに!
参考 屋外用Tapoカメラの防水対応について(TP-Link)
稼働領域広く、アングルも自由自在
「Tapo C320WS」はカメラ視野角が122.1°ありますが、フレキシブルな機構をもっているので、稼働領域が広く、カメラアングルを自由に変えることができます。
カメラ台座にある部分でカメラ本体を0~360度、壁に対して0~70度の角度で調整可能。
監視したいエリアを確実にカバーします。
録画機能:選べる3つの録画スタイル
「Tapo C320WS」は、録画データを保存する方法が3つあります。
録画方法としては、以下3つに対応しています。
録画データの暗号化には、業界標準のAES128ビット暗号化とSSL/TLSを採用しているので、安全性も高く、安心です。
録画形態 | 内容 |
①ローカルストレージ録画 | 本体に内蔵した別売のMicroSDカード(最大256GBまで)に録画可能 |
②クラウドストレージ録画 | TP-Linkが提供する有料クラウドサービス「Tapo Care」を契約することで、最大30日間の映像をクラウド上に録画保存可能。 |
③ネットワークストレージ録画 | 家庭内ネットワークで接続したONVIF対応のNAS/NVR録画保存可能。 録画容量はNAS/NVRの容量に依存。 ※メーカーサポート対象外 |
①ローカルストレージ録画:microSDカード
本体底面にあるスロットにMicroSDカードを挿入しておけば、常時録画が可能。
前モデルでは128GBまででしたが、「Tapo C320WS」は最大256GB(4MP録画で約416時間相当)まで対応しています。
録画する時間帯はお好みでスケジュール調整も可能。
例えば、自宅不在時の昼間や就寝時間のみ録画するなど、アプリで設定を変更することができます。
②クラウドストレージ録画:クラウドサービス Tapo Care
ローカルでの保存以外にも、アプリ内課金で使える有料クラウドサービス「Tapo Care」も利用可能。
30日間クラウドに録画データが保存されるので、万が一、本体にいれたMicroSDカードが破損したり、カメラ本体が盗まれてしまったときでも、クラウド上に録画データが保存されているので安心です。
料金プランは下表のとおり。
フリープラン | ベーシックプラン | プレミアムプラン | |
月額 | ー | 400円/1台 800円/2台 1,200円/3台 | 1,380円/~10台 |
年額 | ー | 4,000円/1台 8,000円/2台 12,000円/3台 | 13,600円/~10台 |
30日間無料でお試し利用ができます。
参考 Tapo Care(30日間無料トライアルあり)
参考 Tapo Careの無料トライアルに関して
③ネットワークストレージ録画:ONVIF対応NAS/NVR
「Tapo C320WS」は、ONVIFプロトコル対応(Profile S)に対応しているので、NASやNVRへの録画もできます。
こちらはご自身でネットワークサーバを運用されている上級者向けの機能です。
容量に制限なく、録画データを残すことができます。
注意 ONVIF対応NAS/NVRへの録画、専用アプリ以外での利用はメーカーサポート対象外です。
参考 Tapoの映像をNASに保存するには
視聴機能:選べる3つの視聴スタイル
「Tapo C320WS」は、3つの視聴スタイルに対応。
Tapoアプリでリモート監視以外にも、利用場所に応じて柔軟な視聴スタイルを選べます。
視聴形態 | 内容 |
①Tapoアプリ | TP-Linkの提供するアプリ。 1画面で最大4つのカメラを一度に監視できる。 最大32台のカメラを8枚の画面で監視。 また家族間でカメラを共有することができる。 同時接続は2人まで。 |
②スマートスピーカー・ストリーミングデバイス | 音声アシスタント(Alexa、Google)と連携することで、ディスプレイ付きのスマートスピーカーやストリーミングデバイスに接続したTVやディスプレイで監視可能。 ※5分経過すると自動的にタイムアウトする仕様。再度接続は可能。 ※低画質(LQ)のみ利用可能。 |
③PC用RTSP対応アプリ | VLCやiSpyなどRTSPに対応したPC用アプリケーションで監視可能。 ※メーカーサポート対象外 |
①Tapoアプリ
「Tapo C320WS」に限らず、Tapoシリーズのカメラを使えば、
- アプリ1画面で最大4台同時視聴
- 最大32台までのカメラ登録可能
- 家族間で各アプリからカメラを視聴
可能です。
複数カメラをみる場合は、1画面あたり4つのカメラを表示させて、まとめてみれます。
スマホを横画面してのモニタリング可能。
TapoアプリはiOSとAndroid両方に対応しています。
アプリの共有機能を使えば、家族間で設置したカメラを共有することができます。
※2022年8月現在、最大2人同時接続のライブビューと再生が可能
参考 Tapoデバイス(カメラ・プラグ・LEDランプ)を家族などと共有するには
②スマートスピーカー・ストリーミングデバイス
Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどと連携することで、音声で操作・ライブ映像の視聴が可能です。
ディスプレイ付きのスマートスピーカー(Amazon Echo Show、Google Homeデバイス)やストリーミングデバイス(Fire TV、Chromecast)があれば、各部屋に設置したデバイスから、ライブでモニタリングができるようになります。
Alexaスキル連携以外にも、VLC PlayerなどFire TV用アプリを使えば、ライブストリーミング視聴も可能です。
③PC用RTSP対応アプリ
RTSP対応しているので、VLCやiSpyなどの対応アプリを使えば、PCでもリモートでリアルタイム視聴が可能です。
VLC Playerの場合、PC以外にもスマホ・タブレット用アプリやAmazon Fire TV(VLC for Fire)もリリースされているので、同じ方法でライブ映像を視聴できます。
ただし、メーカーサポート対象外となります。
参考 Tapoを使用したRTSPライブストリーミングの利用方法
参考 VLC Media Player
「Tapo C320WS」を使ってみた感想
前モデルから、より高画質・広画角になり、夜間でもくっきり撮影できるフルカラーナイトビジョン対応とグレードアップ。
録画容量もMicroSDカード(別売)に最大256GBまで対応となりました。
実家では自宅内のペットの見守りに加えて、「Tapo C320WS」で屋外のモニタリングをするべく導入しています。
Tapoシリーズのカメラであれば、新旧モデル限らず、みたいところを後付けでカメラを追加、すべてのカメラを1つのアプリで管理できるので大変重宝しています。
夜間でもカラーでくっきり見守る高画質×高感度の屋外用ネットワークカメラ
TP-Linkの「Tapo C320WS」はフルカラー対応した高画質ネットワークカメラです。
最大の特長は、高感度センサーとフルカラーナイトビジョンのおかげで、暗がりの中でも非常にくっきりとリモート監視できること。
フルカラーナイトビジョン×高感度センサーがスゴイ!
また、Tapoシリーズ共通のアプリを使うことで、1つのアプリで複数のカメラを管理できるのもメリットでしょう。
最大32台までカメラを追加できる拡張性の高さも◎
カメラ本体価格も抑えられているのでコスパもよく、家庭用の見守りカメラを複数導入して、効率よくまとめて管理したいと考えている方には、特におすすめの屋外対応ネットワークカメラです。