家庭用ネットワークカメラで人気のTapoシリーズに新しいカメラがラインナップとして加わりました。
従来のAIによるスマート検知機能(人物・動物・車両)や柔軟な視聴・録画スタイルはそのままに、カメラ性能が大きく進化。
前モデル(Tapo C320WS)と比べて、新しいTapo C325WBは大口径レンズと大型センサーを採用し、高度な最適化アルゴリズムを組み合わせることで、視認性の高いColorProナイトビジョンを実現。
夜間でもスポットライトを使用しなくても、わずかな光量でもフルカラー映像をとらえることができるようになりました。
さらに広画角な撮影も可能で、127°の広い範囲をカバーします。
この記事では、TP-Linkのスマートカメラの最新モデル「Tapo C325WB」についてレビューします。
この記事は、TP-Link様よりサンプル品をご提供いただき、個人的に使ってみた使用感を交えてレビュー記事を執筆しています。
「Tapo C325WB」の概要
一押し!注目のポイント
「Tapo C325WB」の仕様をチェック
商品名 | Tapo C325WB |
メーカー | TP-Link |
製品サイズ | 148.7 x 137.9 x 90.4 mm(幅 X 奥行き X 高さ) 電源アダプターケーブル長:約3m |
重量 | 230g(カメラ本体実測値) |
無線規格 | IEEE 802.11b/g/nの2.4GHz帯 |
動画圧縮規格 | H.264 |
フレームレート | 20fps |
ビデオストリーミング | 2K QHD |
センサー | 1/1.79“プログレッシブスキャンCMOS |
最低照度 | カラー:0.0005ルクス/0ルクス(スポットライト) |
レンズ | F/NO:1.0±5%;焦点距離:4.58mm±5% |
カメラ視野角 | 撮影範囲127° |
カメラ解像度 | 2K QHD/4MP(2688 x1520px) |
ナイトビジョン | ColorProナイトビジョン |
LEDインジケーター | システムLED×1、白色LED×2 |
防水・防塵規格 | IP66準拠 防水防塵 |
AI検知機能 |
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音声通話機能 | 双方向通信(マイクおよびスピーカー内蔵) |
記録データ保存方法 |
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アダプター入力 | 100-240V 50/60Hz, 0.3A |
アダプター出力 | 9.0V/0.6A(DC電源) |
対応OS | iOS 10+, Android 5.0+ |
製品保証期間 | 1年間 |
同梱物 |
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より詳細な仕様は公式サイトをご覧ください。
参考 TP-Link「Tapo C325WB」製品仕様
参考 TP-Link公式カメラ設置方法(English)
「Tapo C325WB」のレビュー
カメラ性能:より高画質・広画角・高感度でクリアーに!
高画質(400万画素・2K録画可能)・広画角(127°)
家庭用ネットワークを選ぶ上で、「高画質」かつ「広画角」が大切なポイントです。
「Tapo C325WB」は、400万画素(2688 x1520ピクセル)と家庭用カメラの中では高解像度クラスです。
動画も、20fps(前モデルは15fps)のH264圧縮で、2K QHD映像を録画できます。
カメラも広角レンズを採用しているので、127°(前モデルは122.1°)と視野角も広く、見守りたいエリアを確実にとらえることが可能です。
高感度センサー×大口径レンズで夜間でもくっきり!
「Tapo C325WB」はより高感度なセンサーに加えて、大口径レンズを採用することにより、従来のナイトビジョンを超える性能を実現。
大型レンズのF値が1.0もあるので、従来モデルのレンズよりも明かりを効率的に取り込むことが可能です。
周囲の明かりが少ない暗がりでも、スポットライトなどの補助光がなくても、明るく鮮明なカラー画像を撮影することができるメリットがあります。
これまでのモデルでは、夜間の撮影は赤外線や白色LED点灯が必要でしたが、真っ暗な場所でなければ、単独でも十分なカメラ性能を発揮します。
もちろん、白色LEDも2つ搭載しているので、環境によっては見づらい場合は、お好みで点灯をコントロール可能です。
実際に撮影したスクリーンショットがこちら。
時間としては20時で、室内の明かりをつけています。
左から順に、①夜間(ColorPro)、②夜間(白色LED点灯)、③夜間(スマホ)の3つ。
スマホは最新のiPhone 15 Proでの撮影です。
さらにColorProと白色LED点灯時の「Tapo C325WB」カメラを拡大したもの。
ColorProナイトビジョンのおかげで、白色LEDを点灯しなくても、周囲の明かりが少ないところでクリアーに見守りたいエリアをとらえていることがわかります。
ただ完全に明かりのない真っ暗闇のところなどでは、真っ暗状態でした。
そのような環境下では、赤外線モードを搭載した前モデル(Tapo C320WS)を設置するか、玄関の明かり等できるだけ周囲の明かりがあるところにカメラを設置したり、スポットライトを併用する必要があります。
見守り機能:安心安全なセキュリティ機能を標準装備
動作検知・通知機能
カメラでとらえた不審者の動作検知をトリガーとして、アプリへの通知やmicroSDカードなどストレージへの録画ができます。
また「Tapo C325WB」はColorProナイトビジョンとの組合せにより、AI検知機能も向上。
スポットライトを使用しないことで、暗闇にまぎれた人物を特定して検出しやすくなっています。
アラート機能
内蔵ライトとスピーカーの効果音で、不審な来訪者を警告できるアラート機能も搭載しています。
アラートのオン・オフはスマホの専用アプリ「Tapo」で設定可能ですが、音量は調整ができません。
双方向通信
スマホの専用アプリ「Tapo」を使えば、カメラ本体にあるカメラとマイクを使って、離れた場所からでも双方向のコミュニケーションが可能です。
設置の柔軟性:防水対応で屋外OK、有線・無線LAN対応
IP66対応で屋外でも安心
「Tapo C325WB」は、前モデルからは少し大きくなりましたが、本体サイズは手のひらサイズのコンパクト設計。
「台風などの激しい雨でも浸水の恐れがない防水仕様」に相当するIP66対応なので、風雨にさらされる可能性がある屋外への設置も可能です。
基本的に壁などに穴をあけてネジで固定するカメラのため、平面において据え置き利用ができません。
戸建てなどの持ち家の場合であれば、壁に穴をあけて設置することは容易ですが、賃貸だったり、分譲マンションの場合は、共有部分への取付になるので設置には工夫が必要です。
おすすめは、ベランダにある配管ポール等にリングで固定するブラケットです。ブラケットを使えば、傷つけることなく設置できます。
有線・無線LAN接続に対応
ネットワークへの接続は、有線LANポートと無線LAN接続の両対応しているので、ご自宅の設置環境にあわせて選ぶことが可能です。
残念ながら、本体への電源供給はPoE未対応のため、LANケーブルから電力を供給することができません。
そのため、付属のACアダプター(非防水)を使ってコンセントから電源をとります。
ケーブルの長さは約3mありますが、足りない場合は別途アダプター延長コードを購入するとよいでしょう。
延長対象 | 対応規格 |
ACアダプター延長コード | アダプター入力 100-240VAC, 50/60Hz, 0.3A アダプター出力 9.0V/0.6A(DC電源) |
有線LAN延長ケーブル | CAT5E規格(1Gbps)以上お勧め |
参考 屋外用Tapoカメラの防水対応について(TP-Link)
稼働領域広く、アングルの自由度高い
「Tapo C325WB」は、広角レンズ採用により、127°と視野角が大きく向上。
カメラ本体の向きを調整する機構もフレキシブルなので、カメラアングルを自由に変えることができます。
ただ、Tapoの家庭用の屋内カメラに搭載されているような「パンチルト機構」がないため、見守りたいエリアを手動で調整します。
録画機能:選べる2つの録画スタイル
「Tapo C325WB」は、録画データを保存する方法が2つあります。
録画形態 | 内容 |
①ローカルストレージ録画 | 本体に内蔵した別売のmicroSDカード(最大512GBまで)に録画可能 |
②クラウドストレージ録画 | TP-Linkが提供する有料クラウドサービス「Tapo Care」を契約することで、最大30日間の映像をクラウド上に録画保存可能。 |
また、録画データの暗号化には、業界標準のAES128ビット暗号化とSSL/TLSを採用しているので、安全性も高く、安心です。
①ローカルストレージ録画(microSDカード)
本体底面にあるスロットに、別売のmicroSDカードを挿入することで、常時録画が可能です。
最大512GB対応しており、2K QHD/4MPの映像を最長768時間(約1か月)録画可能。
②クラウドストレージ録画(Tapo Care)
ローカルでの保存以外にも、アプリ内課金で使える有料クラウドサービス「Tapo Care」も利用可能。
30日間クラウドに録画データが保存されるので、万が一、本体にいれたMicroSDカードが破損したり、カメラ本体が盗まれてしまったときでも、クラウド上に録画データが保存されているので安心です。
料金プランは下表のとおり。
フリープラン | ベーシックプラン | プレミアムプラン | |
月額 | ー | 400円/1台 800円/2台 1,200円/3台 | 1,380円/~10台 |
年額 | ー | 4,000円/1台 8,000円/2台 12,000円/3台 | 13,600円/~10台 |
1台のカメラあたり、30日間無料でお試し利用ができます。
参考 Tapo Care(30日間無料トライアルあり)
参考 Tapo Careの無料トライアルに関して
視聴機能:選べる2つの視聴スタイル
「Tapo C325B」は、2つの視聴スタイルに対応。
Tapoアプリでリモート監視以外にも、利用場所に応じて柔軟な視聴スタイルを選べます。
視聴形態 | 内容 |
①Tapoアプリ | TP-Linkの提供するアプリ。 1画面で最大4つのカメラを一度に監視できる。 最大32台のカメラを8枚の画面で監視。 また家族間でカメラを共有することができる。 同時接続は2人まで。 |
②スマートスピーカー・ストリーミングデバイス | 音声アシスタント(Alexa、Google)と連携することで、ディスプレイ付きのスマートスピーカーやストリーミングデバイスに接続したTVやディスプレイで監視可能。 ※5分経過すると自動的にタイムアウトする仕様。再度接続は可能。 ※低画質(LQ)のみ利用可能。 |
参考:PC用RTSP対応アプリ | VLCやiSpyなどRTSPに対応したPC用アプリケーションで監視可能。 ※メーカーサポート対象外 参考 Tapoを使用したRTSPライブストリーミングの利用方法 参考 VLC Media Player |
①Tapoアプリ
「Tapo C325WB」に限らず、Tapoシリーズのカメラを使えば、
が可能です。
複数カメラをみる場合は、1画面あたり4つのカメラを表示させて、まとめてみれます。
スマホを横画面して、ランドスケープでのモニタリング可能。
TapoアプリはiOSとAndroid両方に対応しています。
また、アプリの共有機能を使えば、家族間で設置したカメラを共有することができます。
※2023年10月現在、最大2人同時接続のライブビューと再生が可能
参考 Tapoデバイス(カメラ・プラグ・LEDランプ)を家族などと共有するには
②スマートスピーカー・ストリーミングデバイス
Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどと連携することで、音声で操作・ライブ映像の視聴が可能です。
ディスプレイ付きのスマートスピーカー(Amazon Echo Show、Google Homeデバイス)やストリーミングデバイス(Fire TV、Chromecast)があれば、各部屋に設置したデバイスから、ライブでモニタリングができるようになります。
「Tapo C325WB」を使ってみた感想
まとめ:暗がりでもクリアーに捉える、家庭用スマートAIカメラ
以上、TP-Linkの最新のスマートカメラ「Tapo C325WB」のレビューでした。
「Tapo C325WB」は、従来よりも大広角の大型レンズと高感度センサーを採用することで、明かりの少ないところでもライトを点灯することなく、省電力でクリアーな画像を撮影することができます。
ただ、まったく暗い環境下ではクリアーにとらえることができないため、赤外線モードを搭載した「Tapo C320WS」がよいでしょう。
いずれの製品もスマートAI検知や双方向コミュニケーション機能など、基本機能が充実しているので、あなたの設置場所に応じたスマートカメラを選択することをおすすめします。