伊勢志摩サミットで話題になっている三重県の郷土料理、「てこね寿司」。
はじめてその料理を知ったのは子供の頃、毎年夏には家族旅行で訪れていた三重県の伊勢志摩でした。
地元タクシーの運転手さんが案内してくれた美味しい「てこね寿司」のお店で食べた、その味は確かに子供ながらに記憶に残る味だったことをよく覚えています。
そもそも「てこね寿司(手こね寿司)」は字の通り、カツオやマグロ等の新鮮なお刺身を醤油ベースのタレに漬け込んで、寿司飯とあわせたお寿司のこと。 薬味に大葉や白ごま、生姜、海苔などをトッピングして食べます。
諸説ありますが、もともとは伊勢志摩地方は発祥の地で、鰹漁で忙しい中、漁師が簡単につくれる時短料理として、ぶつ切りのかつおと調味料を酢飯に手でこねて(混ぜ合わせて)食べたことがはじまりだと言われています。
カツオだけではなく、マグロやその他の魚を使うこともあり、店で供される「てこね寿司」はそれぞれの店舗によって味付けも異なります。
カツオのたたきでつくる、「てこね寿司」のレシピ
【材料(2人前)】
・ごはん(炊きたて) 1合分
・鰹のたたき、または刺身用 1柵
・漬け汁
しょうゆ 大2
みりん 大1
しょうが汁 少々
・合わせ酢
酢 大1と1/2
砂糖 大1
塩 小1/2
・生姜 1カケ(千切り)
・白いりごま 大1
・大葉 6枚(千切り)
・海苔 1~2枚(短冊切り、細かくちぎる)
【作り方】
1.鰹のたたき/刺身の水気をキッチンペーパーなどで取り、5㎜~7㎜程度に薄く削ぎ切りにして、漬け汁をいれたボウルに入れ、約20分程鰹を漬ける(冷蔵庫)。
※写真の鰹のたたきでつくった時は、1.5cm角に切ってみました。
2.合わせ酢を混ぜ、炊きたてのごはんにしゃもじをつたわせながら回し入れ、切るようにサックリと混ぜる。
3.粗熱が取れたら、白いりごま、生姜の千切り、大葉の千切り(2/3程度)、鰹の漬けの半分程度、1の漬け汁(お好みで大さじ1/2)を酢飯と一緒にざっくりと混ぜ合わせる。
※1の漬け汁は鰹をつけた後ではやや臭みが残るので、事前に漬け汁を大さじ1/2程度とりおきしておくとよい。
4.器に酢飯をよそい、残りの漬けた鰹をのせる。上からキッチンばさみで短冊切りにした海苔と残りの大葉の千切り(1/3程度)を散らし、白いりごまを振りかけて出来上がり。
鰹にはご存知の通り、血液をさらさらにするEPAや脳の働きを活性化するDHA、そしてコレステロールを減らして肝機能を高めるタウリン等の栄養素を豊富に含んでおり、それを丸ごと摂取できる魚です。
単なる時短の漁師飯というなかれ。
その味はシンプルですがとても健康的なので、これから暑さで食欲が落ちる時期にもおすすめできます。
また見た目も華やかで食べやすいスタイルなのでパーティーやお祝い事などの席でも好評間違いなしの一品だと思います。
生の鰹が苦手な方は多少臭みのない鰹のたたきや、漬けマグロを使うとよいでしょう。
・カツオ以外にもマグロなど他の魚でも漬けにすれば、てこね寿司に早変わり!
・カツオは鰹のたたきでも刺身用の柵でも大丈夫。刺身用の場合は5mm~7mm程度に薄く削ぎ切りにすると漬けにしたときの浸かりも早い。
オススメ度:★★★★★