現在は楽天証券にお勤めになる山崎元さんの著書、「全面改訂 超簡単お金の運用術」です。
全面改訂ということで、実は前著も既読済みですが興味本位で図書館で改めて借りて読んでみました。
山崎さんのお話は以前講演会でもお聴きしたことがありますが、投資初心者には投資理論が明解で大変人気です。
この著作も例外なく、極めてわかりやすく、本題の”超簡単お金の運用術”はほぼ前半部分で書かれており、改訂版で新しく加わった確定拠出年金やNISAの活用法、そしてお金にまつわるいくつかのレクチャー記事での構成。
全227ページで薄い新書なのであっという間に読めてしまいますので、「ひとまず資産運用をはじめてみようかな?」という方にはおすすめの1冊です。私のように図書館でも借りてきてよいですし、Kindle版ならば安価に読むことができます。
超簡単お金の運用術とは?
私のようなせっかちな方のためか、結論がまず冒頭に書かれています。
①当座の資金(生活費3ヶ月分程度)を銀行の普通預金に置いておく。
②残金をリスク運用マネーと無リスク運用マネーに分ける。
③リスク運用マネーは「TOPIX連動型上場投資信託」(ETF)と「SMTグローバル株式インデックス・オープン」に半々に投資する。
④無リスク運用マネーは「個人向け国債」(10年変動)または「MRF」で持つ。
要はリスクマネーは日本株式:海外先進国株式で50:50との配分。
その他の候補となるリスク運用マネーの投資先は?
冒頭で、”リスク運用マネーは「TOPIX連動型上場投資信託」(ETF)と「SMTグローバル株式インデックス・オープン」に半々に投資する。”と書かれているのですが、他にも推奨する銘柄がいくつか紹介されています。
いずれも低コストで流動性が高いものです。
①iシェアーズ先進国㈱ETF(MSCIコクサイ) コード番号:1581
→ 投資金額がまとまっている場合、且つ資金を頻繁に動かさない場合は、SMTグローバル株式インデックスオープンよりもこちらが低コスト
②バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)
→投資先に日本株が8%程度ふくまれているので、リスク運用マネーとしてこのETFに60%、残り40%をTOPIX連動型上場投資信託に投資配分でもよい。
③バンガード・FTSE・エマージング・マーケットETF(VWO)
→リスク運用マネーとして、この新興国株式で構成されるETFに25%、TOPIX連動型上場投資信託を50%、SMTグローバル株式インデックスオープンまたはバンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)に25%が適切な配分。
新興国株式への投資はそのリスクを考慮して、リスク運用マネーの中では最大でも25%ぐらいまで。
④eMXIS新興国株式インデックス
→③バンガード・FTSE・エマージング・マーケットETF(VWO)の代わりに組み入れてもOK。
投信なので少額からの投資が可能。
現在の私の資産運用法について
投資関連の本は個人的興味から何冊も読んできましたが、結局のところ私にはアクティブな運用は性格的にむいていないことがわかっているので、リーマンショック以降、こちらの運用術のように非常にシンプルな投資法で実践しています。
それは・・・インデックス投資信託でのほぼほったからかし積立運用(ドルコスト平均法)です。
ポイントは以下の通り。
①毎月口座からの自動引き落としで積立にしている(機械的にたんたんと継続できる)。
②投資対象は、ノーロードのインデックス投資信託(低コスト)
③アセットアロケーションは国内株式:国内債券:海外先進国株式:海外先進国債権:海外新興国株式にそれぞれ均等に20%配分で投資(投資対象でリスク分散)。
④定期的なリバランスを実施(当初期待するリターンとリスクを元に設定したアセットアロケーションを保つ)。
ETFを使わない理由は、毎月自動積立運用を無理なく継続していくことだったため、1,000円単位から投資積立ができるインデックス投資信託を活用しています。
山崎さんが紹介している投信の内、海外先進国株式としては、「SMTグローバル株式インデックスオープン」を、新興国株式としては、④の「eMXIS新興国株式インデックス」を組み入れています。
この投資方法は、最初に自分が許容できる(リターンとリスクが取れる範囲)のアセットアロケーションを決めて投資対象を選定するだけ。 あとは配分比率が大きくかわった時に元の比率にもどす、リバランスを実施するだけです(年1回程度)。
しかも口座自動引き落とし設定で、投資タイミングも気にすることなく、たんたんと実施できる投資法ですので、日頃忙しいサラリーマンにもおすすめで、私にはもっともむいている運用方法です。
興味のある方はぜひ以下の書籍をご一読ください。